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新年といえば!清々しい気持ちになれるこの名画
【今月の名画】
この季節にぴったりの名画をサクッと紹介します。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
さて1月の名画といえば、私的にはこの作品です。
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毎年お正月の時期に東京国立博物館で公開されています。
こうして液晶画面で見るとあまりにシンプルですね。
画面はスッカスカ。松「林」図なのに、松は数本しか描かれていません。
では、この地味すぎる絵の一体何がそんなに楽しいのか。
その魅力を紹介させてください!
墨の濃淡だけで表す空間
一見単調な景色ですが、よく見ると墨の濃淡が丁寧に描き分けられています。
(モノクロだからこそ味わえる技ですね!)
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濃く描かれた松は手前に、薄い松は遠くに見え、絵に奥行きを感じられます。
松はまばらにしか生えていないのに、その中で遠近を付けているのがすごい!
墨の濃淡だけで空間を表しているのが見事です。
霧がかった空気の臨場感
今度は松を拡大してみましょう。
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すごく形が曖昧ですよね。もはや墨というよりスス!
それでも、一歩下がるとちゃんと松が立ち現れてきます。
松の形がはっきり見えないことで、周囲が霧がかっている様子がよく分かります。
葉っぱの一枚一枚まで詳細に描くより、その場の空気がリアルに伝わってくるのが不思議です。
余談ですがこうした表現は後世のモネを想起させます。詳しくはこちらの記事で!
シンプルをベストにする
松林のひんやりとした空気を見事に表現した等伯。
絵で大気を表現すること自体は、それほど珍しいことではありません。
中国の水墨画や後世の印象派の画家たちも空気の表現が得意でした。
(等伯は宋の水墨画家、牧谿の影響を強く受けていると言われています。)
ですが等伯のすごいところは、それを色も塗らず背景も描きこまず、墨の濃淡だけでやってのけたことです。
牧谿だってモネだって、ここまで潔くはなかったでしょう。
まさにシンプルイズベスト!
この思い切りの良さは、何だか見ているだけで清々しい気持ちになります。
究極の水墨画
水墨画の「最高峰」ともいわれる松林図屏風。
余計なものが削ぎ落とされた清らかな世界が、この作品の醍醐味です。