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戦後の画鬼-河鍋暁斎の評価と河鍋暁斎記念館

戦後の河鍋暁斎(かわなべきょうさい)の評価と河鍋暁斎記念館の功績


河鍋暁斎(かわなべきょうさい)

河鍋暁斎

河鍋暁斎(かわなべきょうさい、天保2年-明治14年/1831-1889/日本画家)
ここで考えてみたいこと(私的に)は、河鍋暁斎とは、なんだったのか?と言うことだ。
「近代美術の反省の上に現代美術がある、つまり、暁斎は近街を超えて、現代につながる。」-木下直之(きのした なおゆき、1954 - /美術史研究者・東京大学名誉教授)
そして「その人物像は、暁斎は、反骨の画家と言われるけれど、本来は礼儀を重んじた気の小さい人(繊細な人)」-河鍋楠美氏(河鍋暁斎記念館館長)

河鍋暁斎記念館 

http://kyosai-museum.jp/

河鍋暁斎記念館 

河鍋暁斎の画業から・・(#学術)

鯉魚遊水図
鯉魚遊水図

河鍋暁斎(河鍋暁斎記念館蔵) – 鯉魚遊水図/1885-89 紙本墨画金着色 1714*843mm

河鍋暁斎 – 文読む美人図 -1888
河鍋暁斎 – 文読む美人図 -1888
河鍋暁斎 – 書画展覧余興之図 (画鬼・暁斎 KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドルより)
書画展覧余興之図 
河鍋暁斎 – 吉原遊宴図 (画鬼・暁斎 KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドルより)
吉原遊宴図 

河鍋暁斎の業績と河鍋暁翠(長女):

河鍋暁斎は、反骨精神の持ち主の日本画家で、多様な日本画の世界がある。
そこには、デッサン力や、風刺画(戯画 ..etc)を残している。いわゆる狩野派(最大の日本画派)の流れを受けているが、そこへ、多様な画法や暁斎の創意の作風に取り入れている。
自他共に画鬼と言われた鬼才な日本画家だ。

その河鍋暁斎は、戦前までは誰でも知りうる存在だった。
亡き後は、長女の河鍋暁翠(とよ/かわなべ きょうすい、慶応3年-昭和10年/1868-1935年/日本画家/浮世絵師/女子美教授)が切り盛りしている。

河鍋暁翠(かわなべ きょうすい)長女

この時から、河鍋暁斎からの縁で、当時からの河鍋暁斎のひいき(パトロン)からの依頼があった。そして、家族の生活を支えているのだ。そして家事は、河鍋暁斎の弟子であった、暁月(きょうげつ)が行っていた。
暁翠の娘は、画壇と離れ教師であり、その娘が、医師(眼科医)の河鍋楠美氏(河鍋暁斎記念館館長)となる訳だ。
そして、規律のある家庭だった様子が感じられる。

そして、戦後の評論家は、河鍋暁斎と言えば、戯画を描いていたとの、日本の評論世界でも、正確さを欠く様相になってしまった。その結果、戦後の国内では、河鍋暁斎は、1970年代前半には、まったく、美術の教科書や美術史から消え去ってしまう。
海外での評価とは、あまりに異なる訳だ。
河鍋暁斎の作品は、ヴィクトリア&アルバート(V&A- London)にも収蔵されている。海外では、研究者は誰でも知りうる日本画家だった。
そして、曽孫にあたる河鍋楠美氏(河鍋暁斎記念館館長/眼科医)は、下絵や画手本を整理(体系化)している。
(亡くなった時に、注文が300件もあったくらいで、川鍋家には、作品はなかったのだ。)
そして、戦時中には、蕨に疎開をしており、そこに、下絵の類は保管されていた。
1977年、河鍋暁斎記念館が、眼科の休診日にオープンされている。
その後、研究会も発足しており、下絵ばかりの記念館だったが、本物を買い戻しており、苦難の末、財団法人の認可を得ている。河鍋楠美氏とその周辺の方々のご苦労を感じる。
その当時から、太田記念美術館や、茨城県近代美術館、板橋区立美術館で展示会が行われるようになる。
そして、大英博物館で1993年、河鍋暁斎展が開催された。そして、大盛況だった。(この時も、河鍋暁斎を、日本側が知らず、何年か遅れているのだ。)
2008年には、京都国立博物館、そして、三菱一号館美術館(2015)、そして、東京ステーションギャラリー(2020.11-2021.2)等々、各所で展示されるようになった。
それは、狩野派の本筋をひいた河鍋暁斎という人物の正当な評価だろう・・

(註)河鍋暁斎記念館は、興味をお持ちになったら、是非とも、伺いたい美術館だ。Net(加法混色-RGB)で見るのと実際は、あまりに違う。そして、下絵や、それらの作品から、その画業がダイレクトに伝わってくるからだ。

河鍋暁斎と河鍋暁翠(長女)のアートワーク

最後に

その河鍋暁斎は、戦前までは誰でも知りうる存在だった。
亡き後は、長女の河鍋暁翠(とよ/かわなべ きょうすい、慶応3年-昭和10年/1868-1935年/日本画家/浮世絵師/女子美教授)が切り盛りしている。
この時から、河鍋暁斎からの縁で、当時からの河鍋暁斎のひいき(パトロン)からの依頼があった。そして、家族の生活を支えている。
その河鍋暁翠について、どこかで、何回かに分けて続きます。お時間の合間に・・・

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