#1)Mark Wallinger(YBAs)の伝えたい事は・・Ecce Homo - Trafalgar Square, London
マーク・ウォリンジャー(Mark Wallinger,1959- UK)
英国で著名なアーティスト(画家、彫刻、映像等々)だ。
伝統的なイギリスならではの階級制度、そして、宗教感に対しても、ユーモアでシニカル(皮肉めいた・・)に対峙(たいじ)している。
その代表的な表象は・・
Art - Mark Wallinger's Christ Statue - Ecce Homo - Trafalgar Square, London
Ecce Homo(エッケ・ホモー:この人をみよ/ラテン語)は、それは、マーク・ウォリンジャーのキリストだ。
それは、チャールズバリー( Charles Barry )がトラファルガー広場を設計した1841年以来、空の第4台座を埋めることになった。
この「Ecce Homo」は、キリストを表現し、両手を背中に縛り付け、有刺鉄線の王冠を身に着けている。それは、当時、*Mark Wallingerの視点、挑戦とも受け取られた。
このMark Wallinger「Ecce Homo」が、フォース・プリンス・プロジェクトに選ばれたり、また、Mark Wallingerは、ターナー賞を得ているのは、英国の気質を感じるのだが・・・
*(註)Mark Wallinger said: “This vulnerable figure stands at the top of the steps outside the entrance to St Paul’s Cathedral as we approach Easter to highlight the plight of people around the world who are imprisoned and whose lives are threatened for speaking the truth, for what they believe. It is an enormous privilege to work with St Paul’s and Amnesty International to shine a light on human rights abuses.”
Mark Wallinger’s Ecce Homo at St Paul’s Cathedral
Mark Wallinger, 'Ecce Homo' (1999)
そのMark Wallingeは、アーチウェイ(北ロンドン)のスタジオを拠点としている。
略歴
1959年、チグウェル(エセックス州)で生まれる、チェルシー美術学校(Chelsea College of Arts)で芸術を学び、その後、ロンドン大学ゴールドスミス修士。
1983年、最初の個展、コルチェスターのミノリーズ
1991年、現代芸術研究所(ICA)-ロンドンで「キャピタル」:ホームレスの全身の肖像画を展示
1993年、ヤング・ブリティッシュ・アーチストのショーに(Young British Artist II Show)に作品展示
1997年、王立アカデミーの美術展に作品展示
1999年、第四の台座(トラファルガー広場)に「Ecce Homo」が展示される。
2000年、ヴィデオ「王国の敷居」
そして、同年には、回顧展(テート・リバプール)
2007年、ターナー賞「State Britain」
2013年、ロンドン地下鉄の 150周年を記念して、駅ごとに1つずつ、270のエナメルプレートのラビリンスを作成。
2019年、ウォリンジャーはロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで「世界は逆さまになった」-The World Turned Upside Down (sculpture)というタイトルの彫刻を展示、それは、台湾の島という位置づけから、物議(中華人民共和国と中華民国の両方からの抗議)を呼んだ。
Fig.The World Turned Upside Down
New Contemporaries 70 Years Young with Mark Wallinger
(追記)この場に、政治や宗教観には関連させたくないが、ウォリンジャーは労働党の支持者だ。
次回のウォリンジャーのヴィデオ作品の中には、宗教観も出てくるが、それには、観る人の多様な解釈を求めている、また、それをも含めての表象だろう。