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ユン・ヒョングンとモノクロ画-Monochromatic Painting

ユン・ヒョングンとモノクロ画-Monochromatic Painting


ユン・ヒョングンは

윤형근/Yun Hyong-keun

ユン・ヒョングン(윤형근/Yun Hyong-keun,1928 - 2007/抽象画家) は、東洋と西洋の芸術運動や視覚的伝統と関わりながら、その特徴的な抽象的な作品は、それらは超越しての、伝統的な東アジアの書道や水墨画を彷彿させる。

モノクロ画運動(Monochromatic Painting)

バーント アンバー & ウルトラマリン、1984

ユン・ヒョングンは、モノクロ画(Monochromatic Painting) 運動の著名な一人だ。
そのモノクロ画(Monochromatic Painting) とは、絵画の物理的特性をリサーチし、技術とプロセスを優先した 1960年代から1970 年代に於いて、影響力のある韓国のアーティスト・グループの名称。
ユン・ヒョングンは韓国の忠清北道美園(チュンチョン・プクト)で生まれ、1957 年にソウルの弘益大学校美術学部卒。

独特のマチエールを構成

そのユン・ヒョングンは、ウルトラマリンやアンバー系の限られた色彩(oil paint)を使用して、キャンバスなどに、絵の具の層を重ねて、最後の塗装が乾く前に次の塗装を行うことによって、独特のマチエールを構成している。
また、顔料をテレピン溶剤(油彩用溶剤)で希釈し、支持体の繊維に浸透させ、*韓紙に伝統的なインクを塗るのと同じように染色した。
スタジオの床で直接作業し、手つかず(マークのない)の領域に囲まれた非常に暗い垂直のパネルのシンプルなアレンジメントを制作している。
そこには、油分と溶剤の吸収速度が不均等であるために生じるエッジのぼやけによって分割が和らげられ、層を追加したり、顔料を徐々に滲ませたりしながら、組成物は数日、場合によっては数か月かけて現像化されることもある。
(註)*韓紙:韓国の楮紙(こうぞし)-韓国の楮の樹皮繊維を原料とする

アンバーブルー、 1978 
hastings contemporary -UK

存在と不在の間の絵画 -Yun Hyong-keun

1974 年にニューヨークを訪れ、そこでマーク・ロスコ(Mark Rothko,1903 -1970/抽象表現主義だが、本人は分類拒否)をはじめとするアメリカの戦後のアーティストの作品から、絵画空間を分割する方法を模索、リサーチした。それは、影響を受けた言うよりも、そこから、独自の展開があり、ユン・ヒョングンのロジックになる。

バーント アンバー & ウルトラマリン 、 2002 リネンに油彩

Mark Rothko

存在と不在の間

バーント アンバー & ウルトラマリン、 1976

1970年代半- 1980年代にかけてのユンの絵画は、存在と不在の間を中心に展開している。
マーク(mark/目印・跡)のない領域は、非物質化された空洞ではなく間隔として特徴づけられている。
彼の作品にある固有のある意味、その身体性は、1990年代にユンをニューヨークのスプリングストリート(NY)とテキサス州マーファ(Marfa)のチナティ財団(Chinati Foundation/現代アートのミュージアム)のスペースに展示するよう招待したドナルド・ジャッド(Donald Judd,1928–1994/US/ミニマル・アート/Minimal Art)のような芸術家に感銘を与えた。米国で初の単独でのプレゼンテーションを行う。

Donald Judd

展示等の経歴 -Yun Hyong-keun

その後、ユン・ヒョングンは、ソウルの国立現代美術館(1994年)を含む世界中の著名な施設で個展を開催した。 Stiftung für konkrete Kunst(Foundation for Concrete Art/ドイツ-1997)。アート ソンジェ美術館、慶州、韓国 (2001)。およびストラスブール近代・現代美術館(2002)。その他の注目すべき個展は、韓国、日本国内でも多くのギャラリーやミュージアムで展示された。
サンパウロ・ビエンナーレ(1969年と1975年)、第46回ヴェネツィア・ビエンナーレ(1995年)、光州ビエンナーレ(2000年)にも出品されている。
ユン・ヒョングンの作品は、シカゴ美術館を含む世界中の常設コレクションに展示されている。

Yun Hyong-Keun David Zwirner, Paris
Axel Vervoordt Gallery  

ユン・ヒョングンは、多くの影響を受けながら、1980 - 1982年までパリに在住し、1980年に韓国で暴発した暴力的な政治的混乱からの平和と、作品を創作するための自らの芸術の地を模索した。それは、ユン・ヒョングンの表現の自由の拠点となる。そこで、彼のロジックは、存在と不在の間を中心に展開し、完成度を高めていく。美術史は、後から語られるが、このあたりは、韓国の政治的な背景も大きいだろう。ユン・ヒョングンの視野の広さを感じる抽象だ。

ユン・ヒョングンのアートワーク

(追記)

現在は、アクリル画材には、多くのメディウムがあり、実に多様な技法が模索できるだろう。
その時代のメディウム(画材)と作品との関係性は大きい、それが、学際というキーワードに合致する。

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