(今日の一枚)伊東深水:春雪
伊東深水:春雪
タイトル:春雪 手刷り-木版画 (Woodblock) 39×41.5cm(6号)
/伊東深水 昭和20年以降作(1945-)/刷りは、昭和23年頃と言われる
大倉健二(彫)、大倉半兵衛(摺)
この作品は、夜の雪の中、娘島田のお女郎が傘を挿して・・という美人画の条件を指しそろえた伊東深水の名作だ。
1930年以降の伊東深水の作品では、作風が変わり、女性にはほとんど表情がなく、グラフィックデザイン的な感じ(新版画)が際立つ世界だ。日本を代表する美人画家として認められる伊東深水の変遷期の作品だ。
その1930年以前では、描かれている女性たちが皆内なる感情を表現しているように見える。それらは物憂さや悲しさといった感情であり、ときには、ただ単に物思いに沈んだ様相だ。
伊東深水(いとう しんすい)
伊東深水(いとう しんすい、1898(明治31) - 1972(昭和47)/大正昭和期の浮世絵師、日本画家、版画家)
伊東深水は、鏑木清方を師として、歌川派浮世絵の正統を継いでおり、日本画独特の柔らかな表現による美人画が著名であり、美人画家の一人だ。
戦後には多くの作品が複製版画となり、また、題材の選択と、主婦の友などの付録ともなり、その作品が、身近に人々に知られている。
深水の作品は、この先もランダムに続きます。お時間の許す折に・・
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