宇宙の中で万物が流転し循環する:ガブリエル・オロスコ
宇宙の中で万物が流転し循環する:ガブリエル・オロスコ
東京都現代美術館-2015他
路上に打ち捨てられた物や何気ない風景の中から魅力的なかたちを発見したり・・
ガブリエル・オロスコ(Gabriel Orozco,1962-メキシコ生)は、路上に打ち捨てられた物や何気ない風景の中から魅力的なかたちを発見したり、それらにほんの少し介入してかたちを変えたりして作品に転換する。
例えば、日本庭園で石や砂を水の流れに見立てるのにも似た事物の新たな読み替えは、見る者にそれを読み解く楽しさを与えます。
地域性や政治性を排除したユニバーサルな彫刻や、さりげないスナップショットのような写真は、90年代の現代美術を語る上で欠かせないものであり、現在活躍する日本の若手アーティストにも大きな影響を与えています。
人工物でも自然物でもこの世の事物はすべて、これまで移動したりかたちを変えたりしてきた内なる時間を有しています。
ガブリエル・オロスコと写真
21stにおいても、変わらぬ評価を得ている
オロスコは2009年から2011年にかけ、ニューヨーク近代美術館(MoMA)を皮切りにテート・モダンほか世界の主要美術館で大規模な個展を開催、その後、変わらぬ評価を得ている。一方で、これまでアジア圏ではあまり展示の機会はなく、今回は待望の国内美術館での初個展となります。東京都現代美術館(2015)では、自動車を分割して貼り合わせた代表作《La DS》や最新のカンヴァス作品など、オロスコの魅力を伝える過去から現在までを紹介します。異なる年代と場所で生まれた作品がここ東京で出会い、新たな循環が始まる。
代表作《La DS》は、本物のシトロエンを縦に3等分して、両端を組み合わせて、少し変わったシトロエンを作ってしまった。
ガブリエル・オロスコ(Gabriel Orozco)は、1962年メキシコ生まれ、同世代の中で最も印象的なアーティストです。メキシコ・シティ、パリ、ニューヨークと、常に旅することが彼のライフスタイルであり、芸術活動の一部ともなっています。作品は、時に陽気かつ皮肉っぽいユーモアを特徴としています。感動的で束の間の一瞬をつかむような都会の設定で撮られた写真から、コラージュ、彫刻、パフォーマンス、絵画、大規模なインスタレーション作品に及ぶ。
ガブリエル・オロスコのアートワーク
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