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Jeff Koons- その多様な評価もトータルでイメージだ

ジェフ・クーンズ(Jeff Koons, 1955年1月21日 - US)
アメリカ合衆国のアーティスト。キッチュ(Kitsch)な素材を使った平面作品・立体等々、いわゆるコンセプチュアル・アートだ。

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1955年、ヨーク(ペンシルベニア州)生まれ、シカゴ美術館附属美術大学卒業後、メリーランド美術大学大学院で絵画を学ぶ。
初期の作品に、ビニール玩具の花やウサギを並置したレディメイドのシリーズ「空気でのビニール玩具」や、大量生産される新型掃除機をディスプレーしたシリーズ「ザ・ニュー」などがある。

Jeff Koons- 略歴
1985年、「Three Ball 50/50 Tank」
1986年、グループ展「*ネオ・ジオメトリック・コンセプチュアル・アート(Neo Geometric Conceptual Art)」ソナベント・ギャラリー(NY)がを開催。そして、ジェフ・クーンズは「*ネオ・ジオ(NEO-GEO)」の旗手として位置づけられた。

1980年代より、ウサギのバルーン・アートをはじめ大量生産品や、そして、クーンズを著名にした「彫像」シリーズは、著名人のポートレイトをステンレススチール(ステンレス鋼)で再現している。また、マイケル・ジャクソンとペットのサルなどをモチーフとした「凡庸(ぼんよう:普通であること)」シリーズなどを発表。
これらのコンテンツは、アートの文脈と、アメリカの大衆的文化・セレブリティー(celebrity-有名人)などのテーマをコンテンツにキッチュ(Kitsch:独-安っぽい) にまとめた。
また、この1980年代にはクーンズが、アーティストとして認められると、ニューヨークにソーホー・ロフトにファクトリー的なスタジオを持った。そこでは30人のスタッフがクーンズのそれぞれの作品の制作を担当した。これはアンディ・ウォーホルのファクトリーや、ルネサンス美術家と同様だったが、当時は様々な評価がなされた。

1992年、「*ドクメンタ5」(*Documenta-カッセル,独)で発表した「パピー」では高さ約12メートルの像に7万本もの花を植え込んだ、パブリック・アートだ。
2001年、イージーファン=イーサリアル(Easyfun-Ethereal)絵画シリーズ。
2008年、ヴェルサイユ宮殿での回顧展:そこでは、バロック宮殿とクーンズの作品とのバランスに批判が起こる。
2014年、ホイットニー美術館で回顧展が開催された。

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パピー

               (c)Jeff Koons

クーンズは、著作権侵害の訴えを受けている、それも、何度もだ。
そして、クーンズは、キッチュなイメージを芸術のシーンで表象した、そして、度重なる、論争を引き起こした。
そのクーンズ作風への多様な評価や、ゴシップ・スキャンダラスな状況さえもが、「トータルでクーンズのイメージ」となって構成されている。

(註.1)*ネオ・ジオ(ネオ・ジオメトリック・コンセプチュアリズム):1986年ソナベント・ギャラリー(NY)でデビューした、J・クーンズ、A・ビカートン、P・ハリー、M・ヴァイズマンの4人の若手アーティスト。
ただ、4人の作家には同世代という以上の共通点はない。そのキーワードは、新進作家の売り出しのためのプロモーションということだったのだろう・・・そして、このムーブメントは、シミュレーション主義、新概念主義、ネオポップ、ネオミニマリズム、ポスト抽象化と呼ばれた。美術史は後から語られるのだろう。

(註.2)*Documenta:カッセル(ドイツ)で、4-5年おきに行われる現代美術の国際美術展。余談だが、現在では、ベネチア・ビエンナーレと共に、現代美術の動向を紹介する大きなイベントだろう。ドクメンタは、グローバルな作品群から、審査されるが、これに対して、ベネチア・ビエンナーレは、各国の代表的な作品から、審査がなされる。是非はともかく、そういう事の違いだ。

How Jeff Koons Makes Million-Dollar Art



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