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観ること。
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【例えば】
こんな場合がある。対象がそこにいて、ただそれだけのことを描くのに、余計な装飾は必要ない。厳密に言えば、私の心もいらない。心は無常で、真実を曇らせることもあるからだ。
ではどうするか。ただ、観る。見るのではなく、観ることに集中する。それはデッサンとか写実ではない。私の心は横に置いて、すべてをその対象に集中する。我を忘れ、時間を忘れる。その対象への歴史も忘れ、ただ観て、描く。
そうすると、自分が知っている以上に、その対象の魂のようなもの、見えないものが描ける時があるのだ。
それは犬を描いていても、犬でも猫でも人でもない。命そのもの。縁、そのもの。
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