【#22】材料力学の強化書 〜SFDとBMDについて(2)〜
今回のトップ画像は同じく京都の観光名所である「銀閣寺」です。銀閣寺の正式名称は慈照寺(じしょうじ)だそうです。
個人的には同じ時代に建てられたので、金閣寺と銀閣寺は対のセットだと考えているので、京都を訪れた際は両方見てみたいものですね。
さて、材料力学の話に戻りましょう。
前回ははりの曲げ(変形)を確認する上で重要なせん断力線図(SFD)と曲げモーメント線図(BMD)について、描き方のルールと合せて例題を通して見ていきました。
引き続きSFDとBMDについて扱います。今回は荷重条件が集中荷重から分布荷重に変化した場合のSFDとBMDを描いていくことにします。同じく数式が出てくるので、段階的かつ着実に理解を進めて頂けたらと思います。
分布荷重について
下記のノートに示したように、はりの軸線方向(x軸方向)に荷重の大きさが連続的に変化することを「分布荷重」と言います。力の単位をN(ニュートン)としたとき、分布荷重の単位は「N/m」になります。
そのため、分布荷重全体の合力を求める際は範囲をきちんと決めた上で、定積分することで求まります(具体的には次の例題で書いています)。
軸線方向に変化するせん断力と曲げモーメントを軸線方向成分(x)の関数として表す方法を書きました。これを基にして、SFDとBMDを描きます。
基本的な例題
まずはSFDとBMDを描くときのルールを再掲しておきます。
(1)はりの左端を原点にして右方向にx軸(軸線)をとり、y軸は下向きにとる。
(2)支点反力は常に上向きを仮定する。左端の固定端では固定モーメントは時計回りを仮定する。
(3)せん断力と曲げモーメントは常に正であると仮定する。
(4)せん断力と曲げモーメントを未知として静力学的なつり合い式を作り、せん断力と曲げモーメントについて解く。
今回は一定の分布荷重が作用する単純支持はりを考えてみます。左端(x=0)におけるせん断力は支点反力に等しく、同じく左端の曲げモーメントは回転支点(回転拘束は存在しない)であることから、ゼロになることに注意します。
積分が新たに登場するので、少し複雑な感じがするかもしれませんが、色々と例題を解いていくことで、次第に慣れていくと思います。
おわりに
今回は分布荷重が作用する場合における、せん断力線図(SFD)と曲げモーメント線図(BMD)について見ていきました。
前回の集中荷重が作用する場合に比べて、せん断力と曲げモーメントの分布の様子が複雑化しています。途中計算を誤らないように注意したいところです。
次回は別の拘束条件(固定支点)の場合について見ていきます。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。
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