物理数学の世界 #4 〜質点の力学〜
物理数学の世界。始まります!
前回は物理学を詳細に理解するために必要な数学の知識として、微分方程式について扱いました。
今回は微分方程式を利用して、簡単な物理現象について詳細に解いてみることにします。なお、微分方程式から導き出せる解のことを解析解と呼びます。
数学的な問題の解は大きく「解析解」と「数値解」に分けられます。解析解は数学的に求めた解のことで、数値解は数値解析という特殊な手法を用いて近似的に求めた解のことです。
ようやく物理の話ができます。早速見てみましょう。
整理したノートを公開
例により、整理したノートを公開します。物理学と微分方程式が密接に関係する理由ですが、そのひとつは、運動方程式が2階線形微分方程式の形になるためです。加速度が変位の2階微分であることを利用します。
この場合の解法ですが、前回で説明した特性方程式を利用します。また、前回で説明できずにいた非斉次微分方程式も登場します。その解法も簡単についても、載せておきました。
今回は1次元の物理モデルを考えましたが、2次元や3次元の場合もそれぞれの方向に分けて微分方程式を立てて、連立して解けば良いです。
物理モデル:時間変化する物理現象における主要な挙動を再現するために、微分方程式など数学的な形式で記述された系のこと。
簡単な物理モデルなので、現実的にはピンと来ないかもしれません。そこで、少し現実に近づけた物理モデルを3番目に紹介します。
雨粒の終端速度について
空気抵抗を考慮した自由落下の物理モデルについて。現実は空気抵抗(速度に比例する粘性抵抗を想定)が存在することから、十分に時間が経過すれば、物体の落下は等速直線運動になるという話です。
例えば、雨粒の自由落下について物理モデルで考えてみます。空気抵抗がない場合(1番目の問題)を想像すると、どんどん落下速度が増加することになるので、雨粒と言えど破格の衝撃になると思います。
しかし、現実は空気抵抗があることで、ある一定の速度に収束します。その理由を数式的に証明してみたという話です。
簡単な問題だと現実味がありませんが、新しい物理モデルをひとつ加えることで、現実的な説明までできるようになる。こういうことも、物理学と数学を理解することの面白さだと思います。
おわりに
今回は微分方程式を利用して、簡単な1次元の質点の運動について解き明かしてみました。
新たな微分方程式の解法も出てきましたが、前回までに紹介した内容でかなりの範囲を説明できることがお分かりいただけたかと思います。
引き続き、微分方程式を利用して様々な物理モデルについて扱いたいと思います。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。なるべく毎日更新する気持ちで取り組んでいきます。あなたの人生の新たな1ページに添えたら嬉しいです。何卒よろしくお願いいたします。
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