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【#31】材料力学の強化書 〜ねじりに関する静定問題を解く〜

今回のトップ画像は、アゼルバイジャンの首都のバクーの旧市街にある「乙女の塔」です。こんな感じの塔は初めて目にしました。一説には、紀元前にゾロアスター教の寺院として建てられ、後に要塞として建て直された石壁の塔だそうです。

さて、材料力学の話に戻りましょう。

前回はねじり断面係数と断面二次極モーメントについて説明しました。以前に「断面係数」という概念が登場しているので、理解しやすい内容ではありました。ちなみに、断面二次モーメントと断面二次極モーメントの違いは、軸線方向と部材の回転軸(方向)が別々か同一の差でした。

今回はこれまでの内容を踏まえて、2つの静定問題に取り組みます。いずれも基本的な問題でもあるので、ここできちんとコツを押さえておきましょう。

ねじり角の計算方法

まず、単位長さ当たりのねじり角(Θ)は次のように表されます。

$${\theta=\frac{d\phi}{dx}=\frac{T}{GI_p}}$$

長さLに対するねじり角は上記の式を軸線方向(x)に積分すれば良いということです。

$${\phi(L)=\int^0_L \frac{T}{GI_p}dx}$$

例えば、被積分関数がx方向に変化しないならば、長さLに対するねじり角は単純に下記のようになります。

$${\phi(L)=\frac{TL}{GI_p}}$$

棒の左端(A)がねじりモーメントにより回転するとして、同じく右端(B)に作用するねじりモーメントによる回転角は、右端(A)の回転角とAB間の相対的回転角の和になると考えられます。

先ほど示したねじり角は、右端(B)の左端(A)に対する相対的回転角とも言えます。すなわち、

$${{\phi}_B-{\phi}_A=\int^0_L \frac{T}{GI_p}dx}$$

が成立します。以上がねじり角を具体的に求める際のプロセスになります。

基本的な例題

今回は2問あります。まずは両端固定の棒で区間ごとのねじりモーメントを求める問題です。各区間ごとに状況を整理するのはいつも通りですが、両端固定であることから相対的回転角の条件に持ち込みます。

続いて2問目。断面形状が軸線方向の位置で異なる(断面二次極モーメントが位置により異なる)という状況でねじり角を求める問題です。断面形状が位置により異なるので、それを関数で求めて、全体に渡り積分するという流れです。

今回の2問は比較的に基本を抑えた問題になるので、計算は多少複雑な感じがありますが、流れを明確に掴んで頂けたらと思います。

おわりに

今回はねじりに関する演習問題に取り組みました。前に書いた通り、計算の全体的な流れを押さえてもらえたら良いです。

次回は少し難易度を上げて、曲げとねじりの両方を含めた変形の問題に取り組みたいと思います。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。

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