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数学的&目視的に美しい絵図を描く 〜幾何学について〜
数々の偉人たちが作り上げてきた「数学」を少し掘り下げてみましょう。そんな企画です。
数学の分野は大まかに解析学・代数学・幾何学と呼ばれる3つに分類されます。前回は「代数学」について紹介しました。
代数学とは、広義的には方程式などに代表される「数の代わりに文字を扱う分野」のこと。数と演算により様々な数学的事象を表現します。実は簡単に見えそうなことでも、掘り下げればその奥深さが分かります。
引き続き、今回は「幾何学」について見てみます。
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幾何学とは
幾何学は図形や空間を中心に扱う分野です。例えば「ユークリッド幾何学」という言葉は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
中学校で学習する三角形の合同などは、ユークリッド幾何学の範疇です。それが記されている「ユークリッド原論」では、点は部分を持たないものであるなど、点や直線や円の定義、それらが満たすべき5つの公理から理論を構築しています。
公理のひとつ「平行線公理」は「任意の直線上にない点を通り、且つ同直線と交わらない(つまり平行な)直線が唯一本引ける」というもの。想像してみれば当然のことですが、実際に立証するまでに膨大な時間が必要とされました。
高校で学習する幾何学は、平面や空間に「座標」という概念を入れて幾何学を行う「解析幾何学」です。それまでコンパスと定規で表現してきた図形は、座標を導入することで、代数的または解析的に調べることが可能となりました。複雑な曲線も扱えるようになります。
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17世紀後半にニュートンは力学を記述する際に、この解析幾何学を明確な形で使い始めました。そこから微分積分(解析学)が発展します。座標という「空間の新しい捉え方」が科学に進歩をもたらしたのです。
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非ユークリッド幾何学の誕生
ここまではユークリッド幾何学について説明してきました。ここからは19世紀に開発された「非ユークリッド幾何学」の話に移ります。
私たちが住んでいる空間では、2点間の距離を「2点を結ぶ最短曲線である線分の長さ」と定義しています。しかし、最短曲線は線分で良いのでしょうか。
仮に空間が歪んでいるならば、最短曲線は線分ではないことになります。先ほど紹介した「平行線公理」が不成立な論理体系を構築する必要があります。そのひとつが19世紀に開発された「非ユークリッド幾何学」です。
非ユークリッド幾何学では双曲円盤の上で幾何学を行います。双曲円盤とは、いつまでも境界の円に辿り着けない「双曲距離」を含んだ円盤です。そのため、下図のように最短曲線(測地線)は曲がります。つまり、測地線L上にない1点を通り、Lと交わらない測地線はたくさん描けることが分かります。
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ユークリッド幾何学の平行性公理を変更するという、直観とは異なるアイデアにより、私たちは新しい空間認識を得ることができたのです。
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おわりに
今回は数学の領域から「幾何学」について見ていきました。高専の頃に「代数幾何」という授業を受けたことがあり、その影響からか「代数学」と「幾何学」の違いが理解できていないことを思い出しました。
そして、幾何学と言えばこれ。幾何学模様は様々なシーンで見かけます。デザイン性も高くて、よく使われる模様です。前に参加したイベントで触れた「曼荼羅」もそのひとつです。
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数学は今や数学者だけのものではなくて、様々な所で活用されています。だからこそ、数学のことに再度触れて理解して、より豊かなものにしていければと思うところです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに寄り添えたら幸いです。何卒よろしくお願いいたします。
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