色彩の役割を本を通じて考えてみる -1-
自分は色に関しては専門外ですが、個人的に昔から興味がありました。
色彩に関する資格試験(色彩検定)もあり、カラーコーディネーターと呼ばれる仕事もあるので、実用性や認知度は高いと思います。
色彩に関しては工学的な知見も相応にあり、下記の本を手に取りながら、様々な視点から学んでいけたらと思います。
色の発現には光と物体と観察者の3要件が必要になります。特に「観察者」という要件は感覚に個人差があることから、一般的な物理量とは意味合いが異なる「心理物理量」が常に介在します。
色に対する感じ方が人間の個別特性に左右されるのは、心理物理量に依るところが大きいです。
色彩を様々な観点から覗き見るために、まずは光の古典的な基礎実験の話から、基本事項である「三原色」の話からスタートしたいと思います。
ニュートンのプリズムの実験
光には直進性がありますが、物体に光が接触すると接触面を境界に進行方向が変化します(屈折)。光を介して認識できる色の違いは「波長」に依存しており、波長と屈折率は反比例の関係にあることが知られています。
屈折を応用して光を分割するのが「プリズム」と呼ばれる三角柱状の物体です。このプリズムで分割されたものを「スペクトル」と言います。
太陽光をプリズムに通すと、光は虹のように7色に分割されます。これを示したのは物理学者のニュートンでした。その以前は7色より数が少ないことが通説でした。
太陽のように色を感じない光を「白色光」と言いますが、白色光からプリズムを通して分光(スペクトル)を得る実験をニュートンが初めて行い、そこから様々な考察がされました。
ニュートンが明らかにしたのは、太陽光はプリズムを通じて複数の色の光に分割されること、複数の色の光をレンズとプリズムを用いて白色光に戻せることの2点でした。
色彩の科学的研究の基礎
ニュートンは先の実験を応用して、7色に分割された光をレンズで集める際に、特定の色を構成する光を除く実験を行いました。
例えば、赤を構成する光を除いた6色の光をプリズムに通すと青緑の光が観察されます。また、緑を構成する光を除いた6色である場合は赤紫の光になります。この関係性を「捕色」と言います。
次に、特定の2色だけをプリズムに通します。例えば、赤と緑の2色(光)を通すと黄の光が観察されます。黄は太陽光の中に含まれる色ですが、これは素の黄の単色光とは物理的に異なります。
これまでの過程を踏まえて、ニュートンは赤と緑と青の3色(光)を混ぜると白色光になることを実験的に明らかにしました。これは、太陽光が7色で構成される光ですが、前述の3色で白色光を作れることを示唆しています。
これは「光の三原色」と呼ばれるもので、照明機器や液晶ディスプレイにおける色の再現手法の基礎と言える話です。
また、光と別の話になりますが、青緑(シアン)と赤紫(マゼンダ)と黄(イエロー)を「色材の三原色」と言います。これはプリンターの色の構成で一般的に用いる手法です。
複数の色を混ぜて別の色を作ることを「混色」と言います。この方式は主に2種類ありまして「加法混色」と「減法混色」があります。前者は光の三原色に、後者は色材の三原色に対応します。
おわりに
色彩について見ることに興味がありましたが、個人的に少し手が空いたので、今回手にした本を通じて色々と学んでいきたいです。
自分の場合は工学的な知見は既にあり、色の正体は光の波長であるという認識でした。一方で、ニュートンは赤のことを「赤い光」ではなく「赤を形成する光」と捉えていたそうです。
色は人間の視覚を通じて脳内で認識します。だからこそ、心理物理量という概念が出てきたのだと思いました。この色彩の考え方を次回以降でさらに深掘りしていきます。
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最後まで読んで頂き、ありがとうございます。この記事があなたの人生の新たな気づきになれたら幸いです。今後とも宜しくお願いいたします♪♪
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