独り言は届かぬが
これは、じつに愚かで短絡的なあなたへの、わたしからの独り言です。
容赦のない猛毒が1滴、いや2滴ほど沈んでいるかと思います。
独り言だから、あなたには残念なことに届きませんが、わたしの強大にして深すぎる想念が、気付かぬうちにあなたのすべてを包囲してしまったとしたら、
それはそれで良いかもしれないと、毒をたらした本人は思うところです。
あなたは、さしずめ"机上のお勉強"を精一杯に頑張って、数ある試験に合格なさったのでしょう。
そうです、精神科医というのは、患者の心をみるわけじゃなくて、薬を処方するのが目的ですからね。
眠れなければ眠剤を、
生きるのが辛ければ向精神薬を。
お腹いっぱい、両手いっぱいに溢れんばかりのカラフルなカプセルを一日3回。
そんな処方を指先でちょこっとするだけで、
あなたの自尊心と優越感も、やっぱりお腹いっぱいになるのでしょう。
「いちばん近しい身内や親戚に、自死をした者、未遂をした者がいるか?」を聞いて、
「はい」と答えようものなら、
「じゃあ、あなたも自殺する確率が高いです」
そう言い放ち、あなたはどんどんたくさんの人を不幸にしていく。
あなたのような人間が本当に精神の医師をやっている、それがこの世の地獄というものです。
だったら、宮沢賢治の本を読む方が、何億倍も幸せです。
幸いなことに、あなたのような虚栄心のもとに机上の勉強をやってこなかったわたしは、今もふと思うのです。
今日も、
様々に絡み合って複雑な糸をほどくことができない、普遍と根源と柔らかい心が軸とした苦しみと、人間らしさを美しいまでにおびた「患者さん」たちが、
あなたによって、さらに奥深く"病人"にされていき、クスリ漬けとなり、自ら光を求める力など1ミリも残らぬほど命を吸い取られているのではないかと。
そして今日もわたしは、ここで毒を盛った独り言しか出せない身を-------------