カサンドラ症候群のあなたが辛いのは「相手がASDだから」ですか？

カサンドラ症候群の定義

カサンドラ症候群になる原因として「相手がアスペルガー症候群だから」だけで済ませるのは、あまりに浅いと思いませんか？

カサンドラ症候群、カサンドラ情動剥奪障害とは、アスペルガー症候群の夫または妻(あるいはパートナー)と情緒的な相互関係が築けないために配偶者やパートナーに生じる、身体的・精神的症状を表す言葉である。

Wikipediaより

原因の正しい解釈としては、「アスペルガー症候群の相手と情緒的な相互関係が築けないため」です。

あなたは「情緒的な相互関係を築きたい」から、苦しいのです。

カサンドラ側が悪いの？

違います。あなたは悪くない。

「どちらが悪い」の問題ではなく、情緒的な交流を求める人と情緒的な交流が苦手な人が結婚したからうまくいかないねという話なのです。

情緒的な相互関係ってなに？

お互いに心を通わせること。感動したり喜怒哀楽を共有したり、お互いの考えに共感し合ったり、心の動きが伴うようなやり取りが成立する関係です。

「情緒的」の対義語は「現実的」「理性的」「理論的」「合理的」です。
「情緒的」の英語表現は「emotional」「emotionally」です。

それが難しい人とは

発達障害の一種である「ASD/自閉症スペクトラム障害/アスペルガー症候群」の特性に、「相手の気持ちが想像しにくい、相手の立場に立って考えることができない、空気が読めない」等があります。
また、現実主義だったり妙に理論的だったり、「情緒的」とは真逆の特性を持っている人も多いようです。

というわけで、脳の特性により、情緒的な相互関係を築くことが難しいのです。それを求めているとか求めていないとかではなく、どちらにせよそれが「難しい」のです。

求めているけど難しいからできない。難しいから求めない。
どちらのパターンもあるかと思いますが、とにかくうまくいかないわけなのです。

善悪ではない

「夫婦たるもの情緒的な相互関係を築くもの」というルールもないし、「情緒的な相互関係を築けない人間はダメだ」でもない。
どちらが正解でも不正解でもない。

あなたは間違っていないけど、そこがうまくいかなくても破綻しない夫婦関係があっても良いと思うんです。

ASDのせいと思っているうちが1番辛い

私自身の経験を思い返してみると、「情緒的な相互関係を築くのは無理だ、相手がASDなんだもん」と思っていた頃が一番つらかった。
絶望的な気持ちになっていた。
どうすれば情緒的な相互関係を築けるの？
どうしても無理なの？なんで無理なの？
ここでずっとぐるぐるぐるぐる悩んでいた。

そして、「ASDの相手のせい」だと思っているとどんどん相手を責める醜い自分になってしまい、そんな自分に嫌悪感を抱いてはさらに辛くなる。

でも、そこで絶望的な気持ちになる必要なんてなかった。
だって「情緒的な相互関係」が全てではないから。

そこを手放しても、人生そんなに大きくマイナスにはならない。

そこに気づけるかどうかが分岐点だと私は思います。
そして、悩んでいる真っ最中の私にそれを伝えても伝わらないだろうなという予想もつきます。それほどに、辛くて孤独な闇でした。

では、カサンドラ症候群のあなたが辛い一番大きな理由は何なのか

相手との「情緒的な相互関係」を望んでしまい、何度挑戦してもやはりうまくいかないから。それでも望んでしまうから。そこを手放せなくて、そんな自分に気が付けないから。

何度でも言いますが、「あなたは悪くない。」
そして「相手も悪くない。」

目が見えない人に文字を読ませようとしてるんだけどなかなかうまくいかないな、でも私はどうしても手紙という手段で気持ちを伝えたくてそこを手放せないからどうしてもどうしても読んでもらわないといけないんだ。
・・・という難題に立ち向かっている状態。

誰のせいでもない。善悪ではない。

でも、いきなり「情緒的な相互関係を望むのを諦めましょう」と言われても無理ですよね。

まずは、これだけ知っておいてほしい。

• あなたも相手も悪くない

• 情緒的な相互関係を望むことを手放しても破綻しない夫婦関係は、ある

• カサンドラ症候群という言葉にたどり着いた時点で、あなたは十分に頑張っている

カサンドラ症候群になるほど頑張ったあなたと、ASDの特性を持って生まれたパートナーさんが、対立する関係になるのはとても悲しいことです。

まずは第一歩として「自分が辛いのはなぜなのか、なぜ夫に情緒的な相互関係を求めるのか」を掘り下げてみると、少し心が軽くなるかもしれません。

・・と言われて『え？普通求めるでしょ？』と思ったあなたも、です。
(・・少なくとも私はそう思っていました。)

これからも少しずつ私の気づきを発信できたらいいなと思っています。

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ASDさんは悪くない。
カサンドラ症候群のあなたも悪くない。
求めたり悩んだりすることには理由があるし、それは悪いことではない。
どちらも生きていて良いし、価値のある存在です。