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2017年10月の記事一覧
Poem)深夜になると…
深夜になると、精霊の森の扉がひらく
入ってもいいよという代わりに
目の前に、鍵のかかっていない
扉が現れる
扉の入口に頭を出したキノコに
暗号を複数回、言わなければならない
昼間のうちに集めた花束と
緑や黄色の両手いっぱいの葉、
詩の言葉
涙を貯めたガラス玉
キノコは自分好みのお土産に
満足すると
傘をひらきあっという間に
土に溶けていく
精霊の森の扉は、開きかける
午前零時
ここからは一本
Poem)夕暮れ断章…今日も、振り返りながら飛んでいく
あるいは、黄色かもしれない
友達に 曖昧な返事をしながら、
信号機の前で立ち止まった
携帯でメールを交わす横で
夕暮れが
通り過ぎていく
耳を澄ませ
全神経を空に向けて
風を感じて
きっと、
こうしているうちに
羽が伸びてきて
今だ。
夕闇の黒い波の先端が
私の影に触れる直前に
飛び立てる
合図は
あの空の低いところに輝き出す
金星の光
紛れ込めばいい
黄色だね、
闇と夕焼けの狭間に
飛びたて
Poem)鳥と空の幻影がはじまるとき、
鳥と空の幻影がはじまるとき、
鳥は空から生まれでるのだ
もしそれが、違うとしたら、
では鳥はどこからか生まれるのか、と
蒼い時間が、鳥の形肖を生み出す
鳥の目は闇を見つめない
暗闇に耳を澄ませ
始まっていく物音を
羽ばたきに記憶させて
鳥は羽を膨らませる
広げるだけだ
まだ未明の方向に
嘴を向けて
羽ばたきは鳥の言語だ
aiueoに集約してみてごらん
聴きとってごらん、と
光が空にのぼるとき
Poem)夢のつづき
夢のつづきを
歩いていきたいと
思うのだけれど
明け方に見る夢を
最近は 忘れている
夢占いの本を
見なくなって
2年が経つ
覚えてしまった
と言えば
それまでだけれど
もう あまり見ないと
決めたんだ
何故かって
信じていることが
目の前にあってね
朝早起きして
川べりに行ってみると
妖精が花の咲く道を
作ってあって
それを見つけると
夢のつづきのような
まだ生まれない夢さえ
叶いそ