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【育児】妻から学ぶ“子どもアドボカシー”
週末日曜日、地元の公民館で「子どもNPOセンター」主催の講演会があり妻が参加してきました。4歳になった息子と1歳半の娘の体力を消費させるために土日の過ごし方に頭を悩ませている中、2時間の講演会に託児サービスが付いているからという軽はずみな考えで参加を申し込んだのですが、後から公演内容を聞いたところ、かなり有意義な内容だったようで、妻から公演内容の詳細について教えてもらったことをまとめます。今後の育児の参考としての備忘録としてまとめると同時に、同様の環境で育児をされている方の参考となれば幸いです。
1. 子どもアドボカシーとは
講演会のメインテーマは「子どもの権利と子どもアドボカシー」でした。子どもアドボカシーって何??妻も自分も聞いたことがないキーワードでした。「子どもアドボカシー」とは、2つの支援のことを指すそうです。1つ目は「意見形成支援」、2つ目は「意見表明支援」とのこと。難しいキーワードのように聞こえますが、内容は簡単でした。
(1)意見形成支援:
言いたいことがあるけど、気持ちをコントロールしながら相手に伝わるように伝えることが難しい。そのヤキモキを調整しながらこどもが周囲の人に伝えられるように大人が支援すること。
(2)意見表明支援:
以下やりとりのように、子どもが自分で言えないことを代弁者(アドボケイト)が代弁してあげること。アドボケイトは必ずしも子どもの親でなくても良く、第三者が担うこともある。
▷Aさん『本当は、自分で最後までやりたかったんだって。もう少しでできる、と思っていたそうだよ。」
▷Bさん『あら、そうだったの?!やってほしいんだとばかり思っていたわ。』
上記2つの支援は、さらに4つのアドボカシーに大別され、子どもの「セルフアドボカシー」へと昇華されるとのこと。
4つのアドボカシーとは、以下の4つ。
フォーマルアドボカシー【意見形成支援】
学校の先生や保育園の先生、児童相談所など、仕事として子どもの最善の利益を目指して働いている人たちが子どもの代表者となってサポートすること。インフォーマルアドボカシー【意見形成支援】
家族や親戚、近所の人や地域の人たちが普通の暮らしの中で子どもの代弁者として言いたいことを調整してサポートしてくれること。ピアアドボカシー【意見形成支援】
友人や先輩後輩など同じ仲間として誰かの代弁者となってサポートすること。独立アドボカシー【意見表明支援】
子どもの意見を聞くことの専門家(独立アドボケイト)が代弁者となってサポートすること。独立アドボケイトは、子供との信頼関係が無い独立した第3者。
2. 子どもの話を聴くとわがままになるの?
4つのアドボカシーについて、どれも初めて聞くキーワードでしたが、日常的にやっていることが、こう分けられるんだぁ〜と納得です。上記4つのアドボカシーを組み合わせて、子どもに接していくことで、子どもの「セルフアドボカシー」が身に付くそうです。それにより、徐々に子どもが自分の言葉で言いたいことを伝えられるようになるそうです。
ここで、疑問点。
子どもアドボカシーによって、子どもが言いたいことを全て聴いていたら、子どもがわがままにならないのか?
講師の先生曰く、むしろ子どもの気持ちが安定するそうです。
話づらいことを抱えている子どもたちには以下のような特徴があるそう。
自分が悪い子、というイメージを持つ
自分は嫌われている、という感覚を拭い去れない
そのためにSOSを出せなくなりやすい
その結果、不適切な行動をとってしまうことで更に否定されやすい
「話しずらいこと」「秘密」による「孤立感」が、成長や発達に困難さを与える
だからこそ、子どもには思ったことを、自由に表現できることが「子どもの権利条約第12条:意見表明件」
上記を聞いて、更に納得感が増しました。子どもの権利条約なるものがあったのか・・・。子どもの権利条約は以下です。
ここで大人が知るべきことは、
“子どもは身近な人に話したい!と思っていることがある。でも、話せないこともある(心配をかけたくないから)。”
ということです。その背景には以下プラス面とマイナス面があるとのこと。
【プラス面】
・家族は身近にいてくれる
・家族は親しい
・家族は小さい頃から自分を知ってくれている
【マイナス面】
・家族は近すぎる
・家族は話す前から答えが想像できる(と思い込んでいる)
・今までの関係性が壊れるのが怖い
実際に以下のような現実があることは事実
1. 児童虐待相談対応件数・・・207,659件
2. 児童虐待死亡推定数・・・年に約350人
3. いじめ・暴力・不登校の増加
4. 小中高生の自殺増・・・令和2年度:499人/令和3年度:473人
5. 日本の子どもの幸福度はOECD(経済協力開発機構)38ヶ国中37位
子どもの言葉に耳を傾け、必要に応じたアドボケイトを活用することは重要のようです。大人もそうですが、話を聞いてもらえる環境を構築できていない状況で、いざという時にだけ相談するなんて無理ですもんね。
親として子どもに対しては、日常生活の中で権利意識を持ち得る育ちが必要とのこと。
そして、この子どもアドボカシー(話したいことを話す権利/聞きたいことを聞く権利)は均衡になるための是正措置で、積極的な権利付与やエンパワメントは大人の責任・義務とのこと。
子どもで最初から自分が言いたいことを明確に伝えられる子なんて、いやしませんから、”大人が知らぬ間に子どもの権利を奪っていないか?”を気を付けないといけないそうです。
確かに、子どもと接する際に、子どもの意見を聞かずに無意識に子どもに指示や行動を強制させていたことがありました。例えば、
商業施設へ買い物に行き、子どもが何種類もあるキャラクターお子様カートに乗りたがった際に、一番手前にあるキャラクターのカートに乗せて強制出発
⇒本来あるべき姿は、子どもにどのキャラクターのカートに乗りたいかをヒアリングして、子どもの意思を尊重させてあげる子どものお風呂上りに、体を拭く、服を着る、髪を乾かす、歯を磨くといった毎日のルーティンを補助する際に、何も声をかけずに強制フォロー
⇒本来あるべき姿は、今から○○をするよ~!と声を掛けた上で子どもへのフォローの了承を得る。グズって嫌がったりした場合は、その理由をしっかり聞いてあげる
などなど。
当たり前ですが、子どもより大人の方が力がありますので、知らぬ間に子どもの権利を奪ってしまいがちなのかもしれません。特に大人自身に余裕が無い時(仕事で上手くいかずイライラしていたり、体調が悪い時など)は要注意です。
3. おわりに
最後までご覧いただきありがとうございました。本記事では、妻から聞いた、“子どもアドボカシー”について新たな学び・気づきとしてまとめました。今後の育児の参考としての備忘録として活用すると同時に、同様の環境で育児をされている方の参考となれば幸いです。