読書感想文(397)岸見一郎『アドラー;人生の意味の心理学』(NHK「100分 de 名著」ブックス)

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

2025年の1冊目はアドラー心理学の本になりました。
ずっと前から勉強したいな〜と思っていて、やっと読めました。

感想

すごく革新的なこと言ってるわけじゃないけど、ちょっと使えそうな所はあるなーと思いました。

人の行為は、原因によってすべてを説明し尽くされるわけではなく、自由意志は必ず原因をすり抜けていきます。(中略)それにもかかわらず、何かによって自分の今の生き方や行動が決定されていると見たい人は、そのように見ることで自分の責任を曖昧にしたいのです。

P28

本来、劣等感は建設的に補償するしかありません。例えば自分が理想とする状況に到達していないと思った場合は、もっと勉強しよう、もっと努力しようと考えて、建設的な努力をするしかないのです。(中略)それなのに、そういう努力をしないとすれば、やればできるという可能性の中に生きたいからであり、現実的な努力をして結果が出ることを怖れているからです。

P54

なかなか厳しい言い方ですが、メンタル強めの時には良い発破になりそうです。

・承認欲求から脱却するための方法
①他者に関心を持つこと
→共同体感覚、慈悲
②他者は自分の期待を満たすために生きているのではないことを知ること
→逆も然り
③課題の分離
→自分にできるのは他者の課題の補助

P78辺りのまとめ

特に③では親が子供に「勉強しなさい」という例がわかりやすかったです。
勉強するのはあくまでも子供のためであって、勉強してほしいのは親が自分の不安を消したいだけという話。
子供に勉強の大切さを伝え続けること、スムーズに勉強できるように手助けすることなどが大切なのかなと思います。

最後に、どこで書いてあったのか忘れましたが、人間は皆対等であって上下関係はない、という話が印象的でした。
ただ各人が各々のペースで前に進んでいくことが大切です。
私は「向上心」という言葉が好きでしたが、これからは「向前心」或いは「向善心」という言葉を使っていきたいなと思いました(これは私の造語です)。

おわりに

アドラー心理学や仏教など、考え方を取り入れられたら救われる人が多そうなものは世の中に沢山ありますが、問題はどうすれば必要な人がそういった考え方を身に着けられるか、ということだなぁと思いました。これはちょっと時間がかかりそうな課題ですが、考える価値はかなり大きいと思います。

この本を読んでもっとアドラー心理学について知りたいと思ったので、同じ著者の『嫌われる勇気』も読みたいと思いました。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


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