読書感想文(398)萱野稔人『カント;永遠平和のために』(NHK「100分 de 名著」ブックス)

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

2025年2冊目はこちら。
100分de名著続きです。
『永遠平和のために』は確かルソーの『社会契約論』を同じく100分de名著で読んだ時に読みたいな〜と思った気がします。

感想

印象に残ったのは、カントが人間の本質を悪であるという仮定から出発していたことです。世の中には善人もいるとは思いますが、善人は問題ないので悪人を仮定するのは適切であるとも思えます。
そして、その上で戦争が極力起こらないようにするにはどうしたら良いかを考えています。
ただ、この本を読んでいてやっぱり現代は国民主権が上手く機能していないよなぁと思ってしまいました。
これは「政治家が悪い!」と一言で片付けられる問題ではなく、外交も含めて複雑になり過ぎていることも原因だと思います。
だから、日本がどうあるべきかを考えながらも、世界がどうあるべきかを世界で考えていかなければなりません。
今の自分にできることはとても少ないですが、できることからやっていきたいです。

この本を読んで端的に言える学びは二つありました。
一つ目は消極的な理念。これは目的のために手段を正当化するのではなく、手段が目的を正当化するという考え方。これに対する「積極的な理念」とは、例えば平和のために(平和ではない)戦争をすること、つまり目的が手段を正当化することです。もう少し言えば、可能な手段から目的を考える、と言ってもいいかもしれません。実現不可能な理想だけに留まらず、実現するための理想を考える時に有効そうです。

二つ目は、道徳は内容よりも形式を問うべきであるということ。
例えば、嘘をついても良いか、という内容に着目した道徳は、状況によって判断が変わります。
では形式面に着目するとどうなるかというと、「自分だけでなく誰がやっても問題ないといえるかどうか」を基準にします。ただし、これは反例が見つかりそうな気もします。

おわりに

あっさりした感想になってしまいましたが、今後少しずつ政治や倫理に関する勉強もしていきたいです。
ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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