鍼の試練
一時、肩こりや中々とれない疲労に悩まされ、鍼灸に通っていた。
元々もっている人間本来の力で、自己治癒していく力を高めるほうがいいと思い、鍼灸を選んだ。一回行くと、気になる症状の効果的な部位に八本の鍼をうたれる。
その日はとれない疲労に対して、鍼がうたれる。
うちおわってから、鍼灸師の方にうたれた状態について変化などないか質問される。
質問に答えられない。
左右のあごの付け根の部分にうたれた鍼によって、あごが動かないのである。これはなんの試練で、この試練の先に与えられる称号は、一体なんなのか。
”いっこく堂 伝承者”
そんな称号でも与えられるのだろうか。無論、そんな称号をもらうための試練に挑んだ覚えもない。なんとか顎が動かないことを伝え、質問をイエス・ノーで答えられる仕方に変えてくれた。
髪の毛程度の細さの鍼二本で顎の動きが奪われたことに、改めて、東洋医学の凄さを目の当たりにすることが出来たそんな日だった。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?