That's rather below the belt
経営学を勉強してもう何年も経つ。しかしその世界から遠く離れたところで生活しているにもかかわらず、専門用語に思わずビクッと反応してしまう瞬間がある。
先日などは「企業体質」という言葉を聞いて、思わずのけぞる。
その言葉が一日中頭から離れず、グルグルして、またいろいろと調べものをしたくなってしまった。
過去にため込んだ頭の中の引き出しをあちこち漁ったり、いろんな論文を読みはじめたりと、もうどうにもこうにも気になって仕方ない。
家の中にある経営書を片っ端から読みだすうち、夜寝られなくなってしまった。
💛
私の通うゴルフクラブのマネージャーが、先週から姿を見せていない。
「仕事の鬼」である彼が自分から休みをとったこともなければ、彼のお子さんたちの通う小学校の秋休みはまだ少し先。誰もそのことについて触れないことに違和感があったが、体調でも悪いのかな、ぐらいにしか思っていなかった。
私に親切な秘書さんも、ここのとこずっと姿を見せていない。
秘書のアシスタントとも同じ時期から挨拶していないことを思い出し、いったい何があったのだろうかと思っていた。
そして昨日、グリーン・キーパーと世間話をする機会があって、この3人がコロナに感染していることを初めて知った。3日前ぐらいから判明したらしいのだが、体裁的には「まだコロナかどうかはっきりしていない」を貫いている。
私は全く知らされていなかったし、たぶん会員の中にも、まだ知らない人も大勢いる。なんだか怖くなってしまった。
3人に共通しているのは、2回のワクチン接種がジョンソンエンドジョンソン社のものと、他社との「複合接種」だったということ。同じ医者で、同時期に接種した。本当かどうかは定かではないが、このJ&J社との複合接種した人がコロナに感染してしまう率が高いとささやかれている。
それにしても、ゴルフ場はいつものように平然と経営している。
ゲストも近隣のスイスやフランスからたくさん押し寄せているし、シャワールームも通常通り開いている。
建物内部に入る際にはマスクは必要だが、レストラン内ではマスクは取ってもOK。皆くっつき放題で、肩を寄せ合ってピザを食べては、ベラベラとマスクなしでおしゃべりをする。。食べる時だけマスクを下げる日本のような律儀な国のことを馬鹿にして、この後待っている悪夢のことも一切考えてはいない。
3人のスタッフが感染していることについて誰も何も言わないし、聞きもしない。でも本当はみな、もう知っているから、あえて黙っている。自分が「情報提供のネタ元」だと思われては困るから、例え誰かが話題を振ろうとも「知らない」「知らなかった」を繰り返して、話題をそらしたりもする。
末恐ろしい。。。
感染はこうやって、人間の無知や無視から拡がってゆくのだろう。
「名前は伏せておいて、”コロナ感染を疑われる人がいるので、2週間だけ閉鎖します”とか、そういう対策を言う勇気ある人はいないもんかね?」
私がそう言うと、グリーン・キーパーは
「閉鎖したら誰もお給料をもらえなくなる。ゴルフ場にも収益が入らない。誰も責任なんか取りたくないに決まってるじゃないか」そう真顔で言う。
それでも、例えば誰か会員がコロナ感染して死亡した場合、後にスタッフが感染していたことを黙っていたクラブの経営方針が明るみに出たら、激しく責められるのではないだろうか、などと私は思ってしまうのだが。。。
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それよりも、皆は自分の事で精一杯。
そのグリーンキーパーの彼自身、今住んでいるアパートの取り壊しが8月に決定したと教えてくれた。あまりの急の出来事で、血眼になって新しいアパートを探し続けているのだという。
それでも全く見つからない。700人ほどいる会員あちこちに声をかけてはみるものの、誰も協力してくれないし、相手にしてくれない。空いている物件もほぼ近辺にはないらしい。11月頭には退去を命じられている彼は、この10日弱で、一体どうしようというのだろう。。。
💛
マネージャーもコロナ、秘書も二人コロナで、現在ゴルフ経営陣は人手不足。グリーンキーパーもいつもの半分のメンバーが風邪で倒れ(本当かな?)、みんなやる気がダダ下がって仕方がないといった様子。
ただ誰もが自分から「コロナ感染しました!」とはさすがに言えず、やはり差別が怖いのだ。誰もが感染するウイルスとは言え、やはり周りから避けられるのは、コロナ感染と同じぐらいツライ。
会員の中には「こんなに人がたくさんいるところで働いているんだもの、感染した人は自業自得だよ」なんて心無いことを言う人もいた。
かかりたくて病気になったわけでもなかろうに、そういう頭の悪い人たちの心無い言葉を耳にすると、本当にむしゃくしゃして仕方がない。
そんなに簡単に仕事を変えて、同じぐらいのお給料を得ることができるのなら、誰だってそうするだろうよ??
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人の弱いところを叩く奴らはダイキライ。
けれど他人のことを考えず、保身に走る企業も相当ヤバい。
ドイツはここのところ、急激に冷え込んできた。去年の今頃よりも寒い。
これから冬にかけ、皆が健康で過ごせるようにいることを祈るばかりである。