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苛立ちの過去〜君への手紙〜

銀座の八百屋で
とてもキレイな檸檬を見つけて
梶井基次郎の話をしたのを覚えてる?

あれからずいぶん月日が経った

君が起業をして、店舗経営もし
あちこち海外に行ったり
たくさんの仲間に囲まれて
充実した人生を送っている姿を
SNSで見かけた

今の自分があるのは過去があったからです
みたいなことを綴ってたけど
あれについては異議しかなくて
正直いうと、私は再び深く傷ついた

私は過去に
大切な小さな命を失った

今でも悲しみを抱いてる

自分も立ち会ったから
知ってるでしょ?

小さな命の未来を、ともに奪った過去のこと
多少は覚えてるでしょ?

それなのに

そんなことがなぜ言える?と
怒りしか湧かなかった
君の無神経さに呆れ果てた

縁がきれいさっぱりなくなって
本当によかったと思った
とんでもない人手なしに
私の人生を台無しにされたと思い
情けなかった

赤ちゃんに詫びた

君にとっては
若気のいたりで、とるに足らない
小さなできごとなのかもしれない

覚えてもいないだろうし
まるで武勇伝かのように
モテる男の勲章かのように
親しい人にだけ
話しているのかもしれないね

最低だ

お幸せに
さようなら



けれど、最低な奴だという
君への苛立ちを心に留め続けるのは
私のためにならない

君のためじゃなく
私のために
許せない私を救ってあげたい
だから気持ちを葬り去るために
この手紙を書いた

私はいまだに
傷つき続けている

君が人生を成功させ
満足して過ごしている間
私は悲しみ続けてきた

けれどこの手紙を最後に
君への苛立ちはもう終わらせたい

君の成功の影に
赤ちゃんの犠牲があるってことを
忘れないでいてくれたらそれでいい

私の苛立ちは自分でどうにかする
うまく逃す

けどどうやって

瞑想で使う手法を試してみよう

深呼吸をして
「苛立つ気持ち」とラベルを貼って
海に流すのがきっといい



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海野ジュン
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