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乙女、(帰り道)に感動

一人の時って何したらいいの?

急遽で予定が無くなってしまい久しぶりに全く予定がない一人の休日。しかも二連休。

こんなに自由すぎる日はいつぶりだろう。というか、もはやここまで自由な日が今まであったのか正直わからないレベルで私にとっては初めての体験だ。


18歳までは実家にいたから家族が絶対近くにいたし、14歳の時から最近までずっと恋人がいたし。もちろん上京してから一人で家にいる時間は当たり前にあるけど、恋人がいたときは空いた日があれば必ず会って、そうじゃないときはバイトか友達と一緒にいた。恋人と別れてからもほぼ毎日友達と一緒にいたり、学校へ行ったり、バイトに行ったりと必ず人と接触する機会がある毎日だった。そんな、一人でいる耐性が無い私にとってのこの二日間は何をしたらいいかわからない、ある種の苦痛な時間でもあった。

仮に恋人か家族が常にいた環境の中で一人の時間があったとしても記憶にないということは、それだけ何もやらずだらだらとした時間を過ごしたのだろう。


いつもと同じ場所で、少し違うことをしてみる

とりあえず学校に行って、ロッカーにおいてあったパソコンを取りに行って卒論でもすすめようかと思ったけど、まったくもって進まない。気分転換に最近買ってなかった服でも見ようかと原宿まで行ってみたけど、これといって欲しい服がない。誰かに会おうかと友人に声をかけたけど、みんな予定があるしそりゃ一人だ。


悩んだ挙句やってきたのはいつも課題が多いとき、珈琲を飲みながらパソコンと睨みあう時間を過ごすカフェ。私にとってはもはや戦場である。

いつも決まって朝から夕方にかけてそこで時間を過ごし、充電のためコンセントがついている決まった席にしか座らなかった。

けど時間は18時半。辺りは薄暗くて涼しいから、今日は外のテラス席で本でも読んでみようかしら。


いつもと空間は同じはずなのに、過ごす時間の使い方を変えてみるだけでものすごく新鮮で、普段進まないはずの読書に没頭し、この時間を愛おしく思えた。


私にあたる風が心地よく、カフェのキッチンからほろ苦くてスパイシーな香りがそれと共にやってくる。夜空に浮かぶ葉っぱが揺れて、ライトで照らされると白く反射し光を持つ。

新しい時間と、新しいに出会えたことがなんだかすごくうれしくて。あれだけ怖くてたまらなかった一人の時間、こんな素敵な私との出会いがあるのかと少し感動。

いつも自分と戦うこの場所が、私の心を癒いてくれた。


月ってこんなに綺麗で、お花はこんなに可愛い

季節の香り、今日の夜の雲と月、アパートから惜しげもなく外に飛び出した花々。誰かと一緒にいたら気が付かなかったけど、いつも通る帰り道はこんな素敵なものたちで溢れていたのね。

何も気づかず【片手に持ったスマートな世界】にばかり夢中になっていた今までの自分に少し後悔。


身の回りに実は存在する沢山の幸せに気づく人は、その分人から何か自分に向けた幸せを与えてもらったとき心からそれに感謝することが出来るのだろう。

小さな幸せに気づくこと、それこそがひいては人生の豊かさに繋がるのだろうと21歳大学生の私は思うのです。(♡♡♡)



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