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夢追いベンガル

セックスばっかのお前らなんかより

深夜12時過ぎ、最寄駅から30分程度歩いて着く家に一人で向かう。大事な友達と心底深い話をして、こんな風に想いあえる友達がいてくれるなんてどんだけ自分は幸せなんだと涙を流しそうになりながら、3日前に買ったお気に入りのヘッドホンで『夢追いベンガル』を流して帰路につく。



「裏切ったはずのあいつは笑ってて 裏切られた自分はこんなに不幸だ」

「ああ 今日も愛されない」

そんなことを考えながら、”物理的幸せ”ばかりを求めていた自分を見返してみる。どこか裏切られた気がしてしまって、ずっと自分が不幸な感じ。今日も愛されない、と悲しくなっては誰でもいいからと、とにかく誰かを求めた日々を思い出す。


「大体普通でいたいはずなのに、普通より上を求めちまうしさぁ」

そうなんだ、別に普通に愛して愛されればそれでいいのに、誰かの特別にならないと気が済まない。自分に対しても実は完璧を求めるからこそ何かの行動に億劫になってしまう。妥協することが嫌いだから、どうしても手を抜くことを知らない。


「まあ、なんかたまには自分に優しく」

自分に優しくもなれないのに、人にたくさんの優しさを与える。それって簡単にできないことで、それってすごいと人に褒められる私の長所だけど、ふとそんな自分の優しさに対して嫌気がさしてしまうときがある。

もう、落ち込む自分に飽きちゃった。うん、もっと私は私に優しくあろう。自分は精一杯やったんだから、自分はどんな時だって誰よりも一生懸命がむしゃらに生きてきたんだからそれでいい。カッコ悪くて性格が悪くて、写真写りは悪いしセンスも無いけど、でもがむしゃらに人を愛せる私のこと、私は大好きだ。友達も恋人も家族も、私は周りにいる人をちゃんと本気で愛せる私が好きだ。それでいい、自分はこんな自分でいれて幸せだから。もうそれだけで十分だと思う。


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気力は無駄にあるぜ

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「走る走る 遠くの方へこの脚振り上げて」

誰もいない深夜12時、街灯に照らされる川の水面がゆらゆらと夜にしかみせない輝きを思い出す時間。コンビニの前走っては、一心不乱に目の前の坂を駆け登る。お気に入りのヘッドホンを耳に当て、少し大きなオーバーオールを身につけた私が薄ピンクのダッドシューズで夜道を駆ける。正直滅茶苦茶に不審者な気もするが、自分と照らし合わせて音楽を心から楽しめる私が好きだ。


「今の自分がどうかしてたって その時考えりゃいい」

今までうわ何でこんなことしたんだろうとか、こうしておけばとおもったことは何回もある。数えきれないほどある。でも、私は自分が選んできた道を間違いだと思ったことは一度もない。そんな自分がいてくれたからこそ今の自分がいるんだ。こんな自分だから、自分のことを本気で考えてくれるような友達や家族が私には沢山いるんだ。

後から「あの時の私どうかしてた」って思うことあるかもしれないけど、こんな私がいるからこそ、しくじったと思えるような少し成長した私がいるのだ。


思い出を誇れる私

私にとってこの歌は思い出の歌だった。人生で一番長い間好きでいて、心から人として尊敬できる人と過ごしていた時間に聴いていた曲だった。彼もこの歌が大好きだった。彼との時間に終わりを告げてから、ずっとこの歌を聴くことが出来なかった。イヤホンを片耳ずつ分け合って、二人で行った韓国旅行の帰りの電車で何度も聞いた。この歌を聴けば、そんな思い出がどこにいても思い出せるように聴いていたから、この歌を聴くと座る場所が無くキャリーケースに腰掛け、眠い目をこすりながら見た異国での朝焼けが今でもはっきりと目に浮かぶ。恋愛感情が無くなって、もう関係を断ち切った彼との思い出だったから思い出したくなかったけれど、そんな思い出も今は愛しく、今の私にとってこの曲はそんな思い出があろうとも私を支えてくれる大事な歌だ。彼は今、私なんかちゃんと忘れて、ちゃんと幸せでいるのだろうか。いてくれたらいいなあ、本当に。


あとから今の私に対して思うこと、これからたくさんあるだろうし、若かったと言える日がいつか来るから。だけどその時の自分がちゃんと自分を愛せるように、私は目一杯がむしゃらに生きよう。歌を聴いたら走り出して、空を見上げて、マスクの下で笑みがこぼれているような私を隠さず生きよう。

人からどう思われるかはわかんないけど、とにかく私は今本当に幸せだ。だから誰にも自分に対して何かしてほしいとか、誰に戻ってきてほしいとかもう一切思わない。私は私の幸せを一生作るし、私が与えたいと思う無償の愛は私が与えたいと思える人以外になんか絶対あげない。私は何は無くとも本気でちゃんと幸せ。


この文章を書く手が勝手に走り出す。気づけば1800字も文字を書いている。私はこれを読んでくれている目には見えない大切なあなたが、私の文字で少しでも幸せになってくれることが私の幸せだから。今日も自分が幸せだと実感し、あなたの幸せを願いながら今日を終えることにしよう。

もし明日のあなたが今日のあなたを悔やんだとしても大丈夫。あなたが常に幸せな気持ちである限り、大丈夫だから、悔やんだとしたらその時また私と一緒に考えましょ。あなたの明日が、ちゃんと幸せですように。おやすみ!!

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