前進と後退を繰り返す日々のなかで
自分が書き留めた言葉に救われることがある。それからときどき、自分が過去に綴った文章にも。
気持ちが沈んでいるときは、とにかく何かにすがりたくなって、前向きになれる本を読み漁ったり、これまで色んな言葉を書き留めてきた手帳を開いたりしがちだ。
綺麗ごとばかり並べているようにも思えるけれど、少し前に友人から『あなたは強いね、私も頑張るね』と言われたことがあった。
少しは誰かの力になれたのかもしれないと、嬉しさが込み上げてきた一方で、いざそんな言葉を言われてみると、私はそんなに強い人間ではない…という気持ちが押し寄せてきた。
『強くなれているかは分からないけど、最近すごく前を向けている気がする』
そんな風に答えてみたものの、まさかその数ヶ月後に心身共にダウンすることになるなんて、私は単に前を向けていると強がっていただけなのかもしれないな、なんて今となっては思ったりする。
いつか自分が書いた、手帳の中の言葉がやけに胸に突き刺さる。ただ、結果的に心と身体のバランスが伴っていなかったことが事実だとしても、あの頃の私が、どこから湧いてきたのか分からない、やる気エネルギーに突き動かされていたのもまた事実だ。
頭では理解していても、思い通りにはならない。これもまた、ひとつの人生勉強に違いない。たとえそれがネガティブな感情であろうと、一旦は自分の気持ちをきちんと受け止めてあげること。自覚症状がないだけで、結局心身のバランスの悪さなんて、身体の方には全てお見通しということだ。
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気持ちが沈みそうになったとき、私が必ずといっていいほど手に取るのが、水野敬也さんの『夢をかなえるゾウ』シリーズ。個人的には、やっぱりシリーズ第1作品目が1番のお気に入り。
そんな『夢をかなえるゾウ』の0巻が発売されたというので、早速本屋さんに足を運んだ。もっぱら文庫派の私が、そのルールを破って本棚に並べているのがこのシリーズ。ガネーシャ様の大ファンである私にとっては、文庫化なんて待ちきれない。
5巻、ではなく0巻。
シリーズの原点に戻るともいえるこの本。これまでと大きく違うのは、主人公が「夢」と呼ぶべき「自分の軸」をはっきりと持っていないというところだ。そして、ガネーシャ様の過去にも触れることができる。
「夢の見つけ方」なんていうとすごく小難しく感じるし、必ずしも夢がなくてはいけないのか、なんてプレッシャーに感じることもあるかもしれないけれど、どちらかというとこの本は『自分に軸を置いた生き方』についてのヒントをくれる1冊のように感じた。
おそらく、今年の私は『自分に軸を置くこと』が課題であるに違いない。焦らず、ゆっくり、少しずつ。主人公がガネーシャ様の教えを実践していくように、私も少しずつ、パワーアップしていけたらいいなと思う。
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