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解法設計力がビジネスパーソンの競争力になる時代

戦略コンサルタントのアップルです。

ビジネスパーソンであれば誰しも仕事において何かしらの問題や課題に直面していると思います。そうした問題や課題を解決し前に進めることそのものが仕事とも言えるでしょう。

この記事では、直面する問題の「解法設計力」がビジネスパーソンの競争力になるということ、解法の設計力を高めるためのヒントをお話します。

以前の記事の振り返り

別の記事で、戦略コンサルタントはどうやって高額なプロジェクトを売っているのか、その売り方の3つの代表的アプローチを紹介しました。その中で「問題の解法を設計して売る」というアプローチが定石の一つとしてあるということをお話しました。

※こちらの記事を参照ください

この記事に対し、読者の方から「解法を設計するとはどういうことか、もっと具体的に知りたい」というリクエストをいただいたので、今回はその点について書いていきます。

解法設計力は、これを持つか持たないかが、企画系やクリエイティブ系の仕事に従事するビジネスパーソンの競争力を左右するとアップルは感じていますので、ぜひご一読ください!

学校教育における解法とは何だったか?

解法という言葉は、中学校や高校などの学校教育でよく耳にする言葉でした。中でも数学でよく使う言葉だったと記憶しています。

数学の問題集には、問題と答えが書いてありますが、答えの中には解法が書いてあります。ただ、そこに書かれている解法は、どちらかというと「定理や公式のあてはめ」でした。

「円周角の定理より、角Aと角Bは同じ。ゆえに、・・・」
「三角形ABCは直角三角形で、三平方の定理より、辺Cは・・・」
「余弦定理より、・・・」

こういう感じです。すなわち、学校教育における解法の設計力とは、
・定理や公式を丸暗記して
・それを当てはめる力
という感じでした。

一方で、社会に出てからビジネスの世界などで直面する問題というのは、定理や公式をあてはめて解決できるようなものでは全くありません。学校教育や受験勉強のときとは、問題解決の世界観がガラッと変わるわけです。

社会で扱う問題の解法設計とは何か?

では、社会で扱う問題の解法とは、いかなるものなのか?
具体例をもとにエッセンスをお話します。

アップルは今、とある分譲マンションに住んでおり、管理組合の理事をしています。その中で以前、理事会の中でマンションの防災マニュアルを作ろうという話が持ち上がりました。

この場合解くべきお題は

「うちのマンションではどのような防災マニュアルを作るべきか?」

ということになります。

解法設計力が弱い人たちがこういう問題に直面すると、「はてどうやって作ればよいのか?」と手が止まります。理事会で議論を重ねても、仕切れる人がいなければ、発散したり右往左往したりしてなかなか前に進みません。

こういう場合、私の場合はまず問題を以下のように「分解」します。

①そもそもどういう災害を想定するのか?地震なのか、水害なのか、あるいはその両方なのか?(想定する災害)

②災害が起きたとき、具体的にうちのマンションにどういうことが起きうるのか?(想定するリスク)

③想定リスクを踏まえたとき、うちのマンションではどこまでを防災として対策するのか?(リスクに対する対策方針)

④防災マニュアルには、どの範囲のことを、どれくらいの細かさで書くのか?(マニュアルのコンセプト)
 ・各住戸での防災対策のことを書くのか、マンション全体での防災対策のことを書くのか、あるいはその両方を書くのか?

⑤防災マニュアルの具体的な章立てや内容をどうするか?(マニュアルの内容)

⑥防災マニュアル作成のスケジュールと役割分担はどうするか?


このように防災マニュアルをどう作るか?」というふわっとした大きな問題を、具体的に考えやすい小さな問題に分解することで、問題解決が前に進みだすわけです。

その上で、次に必要になるのは、①~⑤の小さな問題にどうやって答えを出していくかという「解法の設計」になります。

例えば、①なら、国や自治体がハザードマップを出しているので、それを調査することでうちのマンションの立地を踏まえたときにどの範囲の災害まで想定しておくべきかということが明確になります。

また、④と⑤については、他のマンションの防災マニュアルのサンプルをいくつか管理会社から取り寄せることで、目次や書いてある内容のイメージを理解すると同時に、「うちは、どのサンプルをベンチマークしますかね?」という大枠のアウトプットイメージが議論できます。

このように分解した問題それぞれについての答えの出し方を決めるのが「解法の設計」というわけです。問題を分解すること、解法の設計をすることのイメージが、なんとなくお分かりいただけたのではないかと思います。

解法設計力を持つビジネスパーソンは食っていける

以上の具体例をもとに、抽象化してまとめると、

①大きな問題を捉え、提言する(問題設定)
②大きな問題を小さな問題に分解する(問題分解)
③小さな問題ごとに解法を設計する(解法設計)

というステップを踏むことで、問題解決が前に進みます。
この3ステップを主導して遂行できるかが、ビジネスにせよ、社会生活においてにせよ大事ということです。

これができる人は、私の体感上、社会人の中で100人に1人くらいしかいません。名だたる大企業に勤めている社員の方でもこれができる人は少数派です。つまり、この能力は、それだけ希少性があるということです。

希少性があるがゆえに、この能力をひとたび持てば、明確な競争力になります。ビジネスも社会も複雑化が進むことが予想される中、解くべき問題は多くなるし、難易度も高くなるでしょう。そういう環境変化も「解法設計力」には追い風と言えるはずです。

では、どうやって解法設計力を高めればよいのか?

これは詰まるところ場数です。問題解決を主導した経験値によって、解法設計力は高まっていくものだからです。

まずは、みなさんがいま仕事や生活で直面している悩ましい問題で、トライしてみるのが良いかと思います。

「今直面する大きな問題をどう分解できるか?」
ここから考えてみてください!

今回は以上です。
最後までご覧頂きありがとうございました!


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