【読書感想文】夜空はいつでも最高密度の青色だ
あまり短期間のうちに何回も何回も読み直すことはないのだけれど、5周くらいして、書き込んで書き込んで。
こんなにも好きな文章があっていいのか、と思うほど。
素敵で儚くて、脆くて。
私はキラキラしている文章はすごく苦手で、自分を愛していこうぜ!みたいなものを見ると余計に捻くれてしまう。
だけど、そんな私と同じように絶望して、悲しんで、少し前向きになって、また捻くれて。
そんな中で紡いだ言葉の羅列のような気がして好き。
下記、私がこの本で特に大好きな言葉、特に心に残った言葉たち。
・月面の詩
「私はきみが嫌いです。そして明日には忘れます。」
・水野しずの詩
「きのう、きみがやってきて、どこかに帰っていった。いま、ここで息をしていること、立っていることに、価値を見出せる人間なんてどれくらいいるんだろうか。」
「いま、生きている人がきみにできるのは、裏切りだけかもしれないね。」
・やぶれかぶれ
「人間誰か憎まないとおしまいですよって、言い訳でもして、お前のこと嫌いになりたい。」
・星
「きみが大切って気持ちにどれくらいの意味があるんだろう」
・新宿東口
「きみも。あいつも、あのこも、踏み潰してもいい紙くず。」
・かわいい平凡
「好きとも嫌いとも言えないなら、死ねって言っているようなものだ」
・首都高の詩
「きみの最低な部分を愛してくれる人がいるなら、そのひとが、きみの飼い主になってくれるよ」
・プリズムの詩
「私のこと好きでも嫌いでもない、埃を見る目で見てくれてよかった」
・竹
「愛してで足りるような孤独なんて持っていないよ」
・夏
「きみを、私が知らないことはひとつの暴力だ。殴っている。きみがどこにいこうとしているのか、どこからきたのかを、知りたいとも思わないことはひとつの暴力だ。蹴っている。興味がない。」
・雪
「愛が愛という形をしているのはおかしい。まっくろい箱でなきゃおかしい。」
・貝殻の詩
「どうしようもない、死ぬのも、くだらなく生きるのも、それがきみの性質なんだからどうしようもないじゃないか」
・きれいな人生
「お前は愛まで、悪口の肥料にするんだね」
・ヘッドフォンの詩
「ぼくの愛したすべてのものはかならず、ぼくを捨てるべきだった。」
私は決して自分のこの今の人生を幸せなものだとは思っていない。
いつも小さなこと、大きなことに絶望しながら生きている。
私は決してもう2度と彼に大好きだと伝えることはない。
それは大好きじゃなくなったからではなくて、そんなこと無意味だから。
無意味なことも絶望している。
だけど愛で人を殺せるものだと思っているし、
私は愛で殺されたいとも思っている。
愛がキラキラしたものではなく、まっくろいものだと私も思っているからほっとした。
句読点の使い方、文脈の切り取り方が似ているから、きっと感性も似ているんじゃないかなと思う。
とても烏滸がましいけれど。
私は絶望を糧に文章を書きます。
じゃないと本当に何も書けなくなってしまうから。
だから今を進んで生きているような気がします。
些細なことに傷ついて生きているような気がします。
少しの狂気が混ざった文章を吸収して、吐いて。
だから私は最果タヒさんが書く文章をこの先も吸収していきたいと、
本当に心の奥底から思ってる。