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染みができたらそこに花びらを。



あやふやな世界の中でも、しっかりと色付く。
言葉や体温、心地いい風と雨の匂い。
2人だけを包む布団に鳴り響く扇風機の音。

シンとした部屋を壊す言葉で少し笑顔になる。

雨に流されるわけでもなく、どこかへ行ってしまった感情は壊した部屋の隙間にある。

左手の指輪に話しかけてみる。
ねえ、家族ってなに?
壊したくない。

好きや嫌いをとっくの昔に通り越した君に向き合う言葉は生活。
少しの不安、不満、疑問、不信感を包み込む霧を受け入れつつあることに、ようやくか、と思う。
言葉にすること、辞めなくてよかった。



ウェディングドレスとタキシードを身にまとった、いびつな私たちを想像するだけで歯がゆい。
1日1日その日が近づいて、もう今月か。
ついに形に残ってしまう。

色んな絶望を花に例えてきた私は、花に囲まれて写真を撮ることを選びました。


人は、使い使われ、小さく狭いいくつもの世界で役割を果たす。
歪んだ世界の中で、どうか少しでもまっすぐに。


朝のごみ捨てありがとう。


優しくあるために殺す。


透けた心に家族の形を絵の具で塗ります。
間違えたって水でぼかせばいい。
染みができたらそこに花びらを。


変わらない想いでいる。
それだけ。



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