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#ネタバレ 映画「ごくつまの恋」
ごくつまの恋
2013年作品
親分の性的コンプレックスに、ふと映画「逃亡者」〈1993年〉の主人公・キンブルを連想
2020/5/31 17:16 by さくらんぼ(修正あり)
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
昭和の場末感があって良い雰囲気の作品。そこに咲くアイドル的な七海ななさん(スナックのママ役)の、やさぐれ感が新鮮
BSで録画して少しづつ観ています。
これも昭和の場末感があって、良い雰囲気の作品です。
そこに咲く、アイドル的な七海ななさん(スナックのママ役)の、やさぐれ感が新鮮。
純な部下のバーテンから急かされてする自己紹介のシーン、「趣味…ない」「性格…暗い」…。
まだ、やさぐれてないバーテンの片思いはいかに。
追記 ( 旅先の小宇宙 )
2020/6/2 15:38 by さくらんぼ
三河湾に面した温泉宿に泊まったことがある。夜、宿の窓から下を見ると、暗い田舎道に、ぽつんとスナックの明かりが
愛知県の三河湾に面したある温泉宿に泊まったことがあります。知多半島と渥美半島に囲まれた、湖のように波の静かな癒し処です。
夜、宿の窓から下を見ると、暗い田舎道に、ぽつんとスナックの明かりが見えました。
「どんな店だろう」。
そこが魅力的に見えたのは言うまでもありません。
飲みに行けば、きっと一夜の楽しい思い出が生れたのでしょう。
ところで、この映画「ごくつまの恋」は、下町の寂れたバーが舞台です。
ストーリーの多くがそこで展開され、舞台劇のようでもあります。
観客である私は、旅先で出会った一軒のバーと、その中にあった密やかな人間模様を、思いがけず覗き見たような気分になりました。
どこか人気TVドラマ「日本ボロ宿紀行」の、ハードバージョンのようでもあります。
★★★☆
追記Ⅱ ( 映画「逃亡者」〈1993年〉 )
2020/6/2 17:26 by さくらんぼ
葉子に手を出そうとしたのがヤクザの親分。しかし葉子の背中にある「蛇の入れ墨」に恐れをなして抱けなかった
バーのママ・葉子(七海ななさん)は、ヤクザの夫の身代わりで働かされていました。夫はわけあって逃亡しており、葉子はいつか迎えに来てくれるのを待っていました。
その葉子に手を出そうとしたのがヤクザの親分です。しかし葉子の背中にある「蛇の入れ墨」に恐れをなして抱けませんでした。親分は蛇恐怖症だったのです。
蛇は映画の記号としては男根になっています。
性的に敗北したことになった親分は、葉子を獲得できなかった親分は、葉子に愛憎の念を持ちました。
ふと映画「逃亡者」〈1993年〉の主人公・キンブルを連想しました。
追記Ⅲ ( 親分の業 )
2020/6/3 9:32 by さくらんぼ
ヤクザの親分は「(俺が苦しんでいるように)葉子は苦しまなければいけない」と言う。性的コンプレックスの業の深さが見える
では、バーテン(大口兼悟さん)はどこへ行ったのかというと、本屋さんで「バーテン入門」みたいな本を買ってきて、彼なりに一所懸命に仕事をし、葉子に好かれようと努力をしていました。
そんなある日、葉子とバーテンを支配しているヤクザの親分がやってきて、「お前と葉子がやっている写真をケータイで自撮りしろ。それを俺と葉子の写真として見せびらかす。(俺が苦しんでいるように)葉子は苦しまなければいけない」みたいなことを言うのです。性的コンプレックスの業の深さが見えますね。
葉子に惚れているバーテンは、(言われなくとも)いずれやりたいとは思っていましたが、そういう形は本意ではありません。しかし、臆病な気持ちをプッシュさせるだけの力はあったようで、強引に葉子に迫ったのでした。
そのせいもあって葉子を抱くことに成功しましたが、ケータイを取り出しても写真は撮れませんでした。葉子を愛していたからですね。ヤクザの親分はオモチャにしていただけですが。
しかし、この一件もあって、バーテンは葉子と自分を解放するよう、ヤクザの親分に直談判をする決意をしたのです。
そして、修羅場があり、ヤクザの親分も葉子とバーテンを解放することに同意しました。
その開放は、特に葉子の開放は、親分には自分を苦しめていた蛇の追放でもあるからでしょうね。親分はもう潮時だと思ったようです。
追記Ⅳ ( バーテン道 )
2020/6/3 17:32 by さくらんぼ
気弱なフリーターがヤクザの親分と張り合うぐらい強気になれたのは、愛する人が出来たことの他に、一流のバーテンになろうとしたから
>では、バーテン(大口兼悟さん)はどこへ行ったのかというと、本屋さんで「バーテン入門」みたいな本を買ってきて、彼なりに一所懸命に仕事をし、葉子に好かれようと努力をしていました。(追記Ⅲより)
なぜ、気弱なフリーターのケイジがヤクザの親分と張り合うぐらい強気になれたのかというと、愛する人が出来たことの他に、一流のバーテンになろうとしたからなんですね。
「悪い客には毅然と対応するのが良いバーテンだ」みたいな事が本に書いてあり、それを読んで酒癖の悪い客に対応する伏線がありましたから。そして、それが主題なのでしょう。
ちなみに、「指をつめた」と親分を説得するエピソードが秀逸です。
追記Ⅴ ( 夏になるとビールが恋しい )
2020/6/6 9:01 by さくらんぼ
バーで「ビールではないけど、ビール好きを楽しませてくれる、そんな蒸留酒が飲みたいんだが」とオーダーしてみたい
私は35歳から缶ビールで晩酌を始めました。その後、いろいろな酒を楽しみましたが、健康を考えて一時期断酒をしたことも。
そして今は、焼酎やウイスキーの水割りを、チビチビと(盃で)楽しんでします。晩酌は盃一杯だけです。
でも、夏になるとビールが恋しいと思うときも。小さな缶ビールぐらいなら買っても良いかな。
そう思っていた昨日、ビールではなく、以前から気になっていた炭酸水を買ってみました。そうしてウイスキーの水割り、ご承知の通りハイボールですね。それを初めてわが家で飲んでみました。
美味しかったです。ビールではないですが、炭酸水ということで、夏にはピッタリ。
ただ残念だったのはレモンフレーバーの入った物を買ってしまった事です。レモンも好きですが、ウイスキー(ジムビーム)の独特の香りと喧嘩するような気がして、レモンフレーバーはない方が良かったと思いました(その後、またレモンが欲しくなりましたが)。
バーで注文するときに、「ビールではないけど、ビール好きを楽しませてくれる、そんな蒸留酒が飲みたいんだが」とオーダーすれば、きっと美味しいものを何か作ってくれるのでしょうね。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)