#ネタバレ 映画「純喫茶磯辺」
「純喫茶磯辺」
2008年作品
「とりあえず」だけで終わる哀しみ
2008/8/1 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
「とりあえず・・・ビール」
なんて頼む夜は、まさに至福の時ですね。
その後に何を続けて飲むのか、どんなおつまみを食べるのか、そして最後の〆は・・・おっと、メインディッシュである今日の話題は、などと考えると、沢山の幸福がきらめいています。
それをぼんやり想いながらビールを飲むのが楽しみです。
ファースト・デートのトキメキも同じです。今日は手をつなごうか、いや、ガツガツしているように見られてはいやだから次回にしようとか・・・。
でも、とりあえずだけで、その後が無かったら、ファースト・デートだけですべてが終わってしまったら、それはどれほど哀しい事でしょう。
この映画の中心にいるのは主人公の娘だと思いました。彼女は両親の離婚で幸せな家庭が分解してしまったのです。幸せな家庭の「とりあえず」しか知りませんでした。
母親から遠まわしに「もう遊びに来るな」と言われたときの娘の気持ち。私ならその夜は冷静ではいられないでしょう。
この映画は「純喫茶磯辺」の「とりあえず」を通して娘の哀しみを追体験する映画だったのかもしれません。
映画のラスト、娘が覗いた「磯部の残骸」。それは娘自身の心の中にある「離婚家庭の残骸」なのでした。
その直後、同じように失恋した父親が陽気な顔をして現れます。娘は父を「哀しみの同士」として理解したのでした。救いのあるラストです。
ダスティンの離婚映画より良いかも。
追記 ( 塩気を感じます )
2015/8/8 6:06 by さくらんぼ
野菜ジュースと、
発泡酒、
似てませんか。
正確には発泡酒と言っていいのか、第三のビールと言っていいのかわかりませんが、とりあえず、ここでは発泡酒と呼んでおきます。
たくさんの種類のビールと発泡酒から、値段に関係なく、おいしそうと思われる物を7~8種類ぐらい買って、飲み比べたことがあります。
その時に、コスパ最高だったのが、とある発泡酒です。
ホップがたくさん入っていて、飲んだ時に、泡が口の中いっぱいに広がり、とても満たされた気分で、幸せになったのです。
でも、飲み比べをしたときには、感じなかったのですが、その後、飲むたびに、いつも「わずかに塩気」を感じるようになりました。
塩が入っているとは思いません。
でも、塩が入っていなくても、塩気を感じるものってあるでしょ。
野菜ジュースなどに。
あぁ、あれと同じ錯覚なのかもしれない、そう思いました。
でも、爽快感が欲しいのに、塩気を感じる発泡酒を飲むのは、何か違う様な気がします。
飲んだ瞬間「わずかな苦痛」が喉を流れていくから。
また、近いうちに、選抜選手権を開催しなければならないでしょうね。
追記Ⅱ ( 聖火採火式 )
2020/3/13 9:42 by さくらんぼ
NHK夜7時のニュースで、「東京2020」の聖火採火式を観ました。LIVEで観たのは初めてです。それにしても良いタイミングでしたが、時間帯に日本に対する配慮があったのでしょうか。
しかし、日本で観る我々も、採火式に出席した関係者の方々も、複雑な気持ちだったはずです。たとえば「余命いくばくもない患者さんの退院を祝うような」。
でも、中止ではなく延期なら、少し救われるのかもしれません。オリンピックに大きな影響力を持つ米国のトランプさんが、12日、延期に言及しましたから。
追記Ⅲ ( 「とりあえず」だけで終わる哀しみ )
2021/5/9 17:51 by さくらんぼ
TVのワイドショーを観ていたら、若いゲストの方が、五輪中止論優勢の中、「五輪を中止した場合の後悔も想像した方が良い」みたいな事を言われました。
諸外国は五輪中止論を打ち上げていますが、諸外国と当事国は違う観点からも見る必要があると思います。
コロナ過の五輪は感染防止で確かに大変ですが、当事国は中止することでの後悔と喪失感の大きさも、想像してみることが必要なのかもしれません。
大きな負担だと思っていたことが、実は、心の支えになっていたのかもしれないのですから。
追記Ⅳ 2022.6.26 ( お借りした画像は )
キーワード「喫茶店」でご縁がありました。全体が美しいので、枠に収めるのに迷いましたが、やむを得ず上下して、一部分をお借りしました。ありがとうございました。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)
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