『侍女の物語』マーガレット アトウッド (著), 斎藤 英治 (翻訳)
いま、アウトウッド『誓願』を読んでいるのだが、その前の『侍女の物語』を読んだ記憶も忘れてしまったと思い、過去の記録から取り上げた。『侍女の物語』を読み終えた頃にWOWOWでもドラマがあったのだが、それを観たら全然違った話じゃないかと思ったら、すでに『誓願』の方のストーリーだったのだ。シーズン1、2から始めないでいきなり3だったのだ。
それから暫く忘れていたが、「100分de フェミニズム」という番組、去年(2023年の正月)に再び翻訳者の鴻巣友季子さんが取り上げて講義していたのを思い出す。
その時の一言。
スラスラ読めると思ったがなかなか読み終わらんかった。なぜかとうとこのヒロインが最後まで態度がはっきりしないからだと思う、それが「侍女性」でそれと対照的な行動的なモイラがヒロインだったらもう少し活劇的な物語になっていただろう。ヒロインがどこまでも受け身で回想ばかりでイライラさせられる。しかしそれは母親世代の失敗があるわけで、革命世代の母を反面教師と眺めていたからヒロイを形成していたのかもしれない。これはぼくら世代(しらけ世代)にも言える。本人も自覚しているからこそ「あなた」に宛てた物語となっているのだ。(2021/05/02)