(詩)楽園の花
楽園にも雨が降る
楽園の花も
雨に濡れている
しっとりと
誰のために咲き
誰のために濡れ
そして
誰のために散ってゆく
ここが楽園ならば
祈る必要もなかろうに
ここは楽園なれば
誰かを待つ必要も、
なかろうに
楽園の花ならば
散らずにずっと
咲いていればいいものを
何を好んで
わたし、地獄を見た
地獄に落ちたあなたに
恋をした
だから散って
わたしも地獄に落ち
地獄の底で咲きたかった
ほんの一瞬で良いから
あなたの前で咲きたかった
楽園にも雨は降る
楽園の花も涙に濡れる
ここでは罪を犯せぬがゆえ
いとしい人を
ただ待つしか、ありません