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不安なのは知らないから。老化を知る。

40歳を目前に、頭痛だの肩こりだの、なんらかの体の不調が日々あらわれるようになった。生活習慣もあるだろうが、加齢の影響もあるのだろう。
そのうち、白髪が出てきて、関節が痛くなったり、老眼になったり、ひたすら坂を下り続けるような希望のない日々を生きるのだろうか。
え、お先真っ暗ではないか。

果たして。
何かに対してネガティブになる場合、わからないことや知らないことが原因となっていることが往々にしてある。「知らない」ことに気づかぬまま、負の要素をかき集めて勝手に定義し、否定的に捉えている。そんな状態。

そんなわけで、まずは知ること。老化と健康をテーマに3冊の本を読んだのでご紹介。

1冊目。上大岡トメ氏著「老いる自分をゆるしてあげる」
これは、文庫サイズのエッセイ風漫画。とても読みやすいのに、なぜ生命に老化という機能が備わっているのかや、老化のメカニズムが細胞にあることなどを、科学的エビデンスを用いながらわかりやすく解説してくれている。いわば人体の老化に特化した「取説」。
家電にはなから備わっていない機能を求めたりはしないし、メンテナンスをしながら使いつつもいずれガタが来るのは当たり前。それと同じように、老化を機能として理性的にとらえることができる。しかも、将来起こることを詳細に解説してもらえるから、闇扱いしていた道の景色が開け、漠とした不安から解放される。

2冊目。櫻井大典氏著「体をおいしくととのえる!食べる漢方」
1冊目で老化は不可避だと納得。そして結局のところ、健やかさは食事と運動でつくられるのだ。ということで、生活に役に立ちそうな実用本として購入。冒頭で漢方の基本を5つのポイントにまとめ解説してくれたあと、疲労、肩こり、目の疲れ、イライラ・・・など、日常によくある症状に効果的な食材や、調理方法がイラストととともに紹介されている。
「きゅうりで便秘が解消できるだと?」「月経前の不調にはピーマンのカシューナッツ炒め?シンプルにおいしそうやないかい」「梨を蒸すだと?そんなのアリなんか」と、食材が持つ意外な効能に感心しつつ、単純にレシピ本としても楽しめ、むしろ積極的に試してみたい気持ちになる。

3冊目。若林理砂氏著「東洋医学式 女性のカラダとココロの「不調」を治す50の養生訓」
当初は、今回を機に東洋医学の全体像を理解できるような本を選ぼうと思っていたのだが、本書籍の冒頭の「女性をがんじがらめにしている呪いを解くための本である」という内容に惹かれて購入。タイトルのとおり東洋医学の見地から美容・健康にまつわる不調の対処法が紹介されている。口語に近い文体でつづられていて、著者の快活な性格もうかがえ、頼もしい先輩から指南を受けているような気分で読める。症状に合わせた漢方の選び方のほか、自分で簡単に行えるペットボトルを使った温灸の解説もある。
この本を読んでよかったと思ったのはやはり、宣言通り呪いが解かれたから。日々無意識にインターネットや雑誌で吸収していた、冷え対策やダイエット、ホルモンバランスやエイジング等のいろいろな情報。それらがいつのまにか漠然とした危機感として自分の中に居座っていることに気づかされた。養生のために大切なことはごくごくシンプル。無意識に蓄積した知識の余計な部分をそぎ落とすとても良いきっかけとなった。

3冊を読み終えて、今は、次に体の不調を感じたときどの対処法を試そうかと、少し楽しみですらある。負の状況に対応する引き出しは多い方が良い。しばらくは自分に合うやり方を探す「セルフ人体実験」に興じてみよう、と、お先真っ暗モードから晴れて脱出できた。


ところで、女性向けの身体や健康に関する本は沢山見かけるが、男性向けを見かけないのはなぜだろう。(ただ存在を知らないだけかしら。)
ジェンダーレスな時代とはいえ、異なる臓器でつくられているという意味で身体の性差は存在するのだから、それぞれに特有の悩みが存在するのではないかと思う。男性が身体に不安を感じたときには何を頼るのだろう。
女性特有の生理機能もオープンに語れるものにすべきだという主張には賛成するけれど(それは、心臓が血液を体に送るポンプの役割をしている等と同等の身体機能の話として)、その一方で男性特有の身体機能を自分はどれほど理解できているだろうか。お互いを理解しないとフェアじゃないよなあ、と思ったりする。

そんなわけで、今は、男性がどのように身体や老いに向き合っているのだろうか、女性とは違うのだろうか、、というところに興味が湧いている。お勧めの本があったらぜひ教えてください。








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