♯1 「何回確認しても家から出られない」 強迫性障害を自分で終わらせた話
私は病院に行って診断してもらった訳ではないのだけれど、明らかに症状は強迫性障害(確認行為)だった。
2021年の春に今の家に越してきた時に、急に戸締りを異様に気になりだすようになった。
(オーストラリアに住んでいた時が初めて実家を出た時で、今の家は日本で初めて一人暮らしを始めた家)
朝、仕事に行く前に、窓は閉まってるか+鍵がかかってるか・エアコンは切れているか・電気は消したか・コンセントは抜いたか・ガスがついてないか・洗濯機の水道の元栓が閉まってるか・玄関の鍵はかけたのか…
確かに閉めたはずなのに、確信が持てず、また確認に戻り、同じルートを3周回っても家から出られず、ようやく家を出て車に乗り込んだのに、また玄関のドアを見つめて、車を降りてまたドアノブを触って鍵を閉めたか確認する。
ひどい日はそこからまた玄関ドアを開けて室内を見てまわってもう一度車に乗り込む。確認できてホッとして家を出るわけではなく、「あんなに確認したんだから、もう絶対大丈夫だから戻らないで!」と自分に言い聞かせてなんとか発車させる。そして運転中もしばらく不安は続く。
お察しの通り、ただ家から出るだけなのにとても時間がかかるので、仕事にも遅刻しそうになって更に焦るといった毎日だった。
ちなみに家の戸締りだけではなかった。
車のギアはパーキングに入れたか・サイドブレーキは引いたか・エンジンは切ったか・ドアの鍵は閉めたのか…
車の側を離れると不安になって、また戻ることを繰り返し、乗るはずの電車に乗り遅れる。乗った電車でも不安になって降りて戻りたくなることもあった。
終業後に会社の戸締りが出来ていたか不安に駆られ、一度家に帰ったのに、わざわざまた会社に戻って見に行ったこともある。
今思うと、元々不安症な部分はあったけれど、一人暮らしを始めたのをきっかけに症状が目立つようになった。
頭では平気なはずだと分かっているのに、確認せずにはいられない。鍵を閉めたか思いだそうとすると、どうしてもそのシーンだけ記憶がすっぽ抜けていて思い出せない。
戻って確認したところで、離れる頃にはまた不安になる永遠のループで、自分ではどうしたら良いのか分からないし、普通じゃないと分かっているのにやめられない自分が嫌だった。
・集合住宅で私のせいで火事になったらまずい
・泥棒に入られたらどうしよう
・洗濯機の水栓開けっ放しで、もし地震が来たら、水道が漏れて下の階の人に迷惑をかける
ほぼ1日中こういう思考が頭の中を支配していたような気がする。人に「え?見に戻るの?大丈夫でしょ」と人に言われても私の心中は全然大丈夫じゃなかった。