【詩】 春と花が未来に
あんまり天気が良いから外へ出ていく
ぼくはまだぼくを見ている
花だ、花だ、何の役にも立たない花だ
言葉は散った、未来に投げ掛ける言葉も光も
木は蝉を宿す準備をしている
蝉はまだ木の季節に追いつかない
朱い花と白い花がここにある
今あって、今しかない
花だ、花だ、何の役にも立たない花だ
甘い香りを晴れがましく漂わせている
あくびをするぼくはまだぼくを見ている
花が掻き立てるぼくの心の愉しさを見ている
ひとりできらきら、ぱっと明るい人になりたい
華やぐ、花やぐ、夢は花火
ずんと高く、空をあおいでまっすぐにゆきたい
ぼくがぼくをみえなくなるまで
眠くて泣きたくなる、この場から消えたくなる
そういうこともある
風が吹く
綿毛になったら家まで帰れるだろうか
綺麗な庭の花の写真くらいつまらないものはない
夏がくる、虫たちはまだ季節に追いつかない
ウエディングドレスみたいな人になりたい
優しい微笑だけ残して、踵を返して行ってしまう
花だ、花だ、何の役にも立たない花だ
ぼくはずっとぼくを見ている
何の役にも立たない人になりたいぼくを見ている
言葉がぼくを裏切っても
つまらないものと役に立たないものが
未来に投げ掛ける言葉も光もない
今をもっと先へ連れていくんだ
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