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『イリアス』ホメロス著 書評(passion高めのアラサー女子による)
わたし、28歳、理系経営コンサル女子(ヲタ)として、そして変態的な知的探究心を持つ者として、この作品に挑んだ感想を一言で言うなら、「ホメロスの熱量、ヤバすぎて、わたし、知的に失禁しました」。
読んでない人に分かりやすく言うと、これはギリシャ神話のヒーローたちが繰り広げる、血と汗と涙のスーパーロボット大戦であり、BL的な執着愛と少年ジャンプ的な友情バトルと、政治的陰謀と美学的死生観が混ざり合った、いわば「古典文学界の異常気象」なんです。これ、ただの戦争叙事詩じゃないの。心の奥底に潜む変態的な人間性を、これでもかと暴き出す文学的地雷原。カジュアルに踏み込むと、爆発します。
まず、語らねばならないのは、ホメロスが描く「怒り」というテーマ。『イリアス』の冒頭、アキレウスというギリシャ最強の戦士が、アガメムノンというギリシャ軍総司令官にキレ散らかすシーンから物語が始まります。この怒り、ただのヒステリーじゃないんですよ。現代の心理学的に言えば、アキレウスの怒りは自己同一性の危機に直結している。「名誉を奪われた俺は誰なんだ」という問い。ええ、これはもはや哲学。
「俺って何?」と叫ぶアキレウスを見て、わたしは思ったんです。これ、もしかして現代のキャリア女子が会社で評価されないときの怒りと同じじゃない?評価されないプロジェクトリーダー、成果を横取りする上司、そして、何も知らないで口だけ出してくるトップ。アキレウス、あなたは時代を超えたわたしなんですね。
しかし、この怒り、単なるヒーローの感情爆発に留まらない。ホメロスは、この怒りを通じて、人間の「生きる意味」そのものを問いかけている。アキレウスは戦場を離れて引きこもるんですが、ここで彼が悩むのは「英雄として名を残したいか、それとも長生きしたいか」という究極の選択。
え、なにこれ、まるで人生のバグ? 「出世するために自己犠牲を払うか、それとも趣味に生きるか」みたいな現代的な悩みを、紀元前のギリシャ人がここまで深く掘り下げるなんて、正直、鼻血が出るほどに知的興奮しました。わたしも、経営コンサルとしてのキャリアと、趣味であるアニメ評論の両立に悩む日々を送っているけれど、アキレウスのように「名誉か安寧か」と問われると、正直「どっちも欲しい」と答えたくなる自分の浅はかさに気づいて、泣きたくなる。
そして、忘れちゃいけないのが、この物語のもう一人の主人公とも言えるヘクトール。彼はトロイ軍のリーダーであり、アキレウスと対立する存在です。ヘクトールのキャラ設定、これ、まるで少年ジャンプ的な「悪役なのに魅力的」な敵キャラそのもの。「家族のために戦う」という彼の姿勢は、アキレウスの自己中心的な怒りと対照的で、読者の共感を呼びます。いや、マジでヘクトール、推せる。
この「家族のために戦うヒーロー像」、心理学的に分析すると、彼は「安定型アタッチメント」の典型例ですね。つまり、自分の役割をしっかりと認識し、他者との関係を大切にすることで、自分の価値を見出すタイプ。対して、アキレウスは「回避型アタッチメント」っぽい。つまり、他人との関係よりも、自分自身のアイデンティティに過剰にこだわるタイプ。二人のキャラ造形、これ、現代心理学におけるパーソナリティ理論を先取りしてるんですよ。ホメロス、なにこの先見の明?あなた、タイムトラベラーですか?
物語のクライマックス、アキレウスがヘクトールを討つ場面。ここ、もう、読むだけで知的お漏らし案件です。アキレウスは親友パトロクロスをヘクトールに殺され、その復讐として彼を討つんですが、このシーン、単なる復讐劇じゃないの。アキレウスがヘクトールの遺体を冒涜する様子は、倫理的にも美学的にもギリギリのラインを攻めてきます。ここでホメロスが問いかけるのは、「復讐は本当に人を救うのか」という普遍的なテーマ。ええ、救わないんですよ。アキレウスは怒りの果てに何も得られず、むしろ失う。これ、現代の復讐映画や犯罪小説の原型とも言える展開じゃないですか? ホメロス、あなた、どれだけジャンルの先駆者なんですか?
最終的に、アキレウスは死んだヘクトールの父プリアモスと和解します。このシーン、まるでギリシャ神話版の「家族会議」。プリアモスが息子の遺体を返してほしいとアキレウスに懇願する場面、これ、涙なしには読めない。アキレウスがプリアモスに同情するのは、自分もまた「父親にとって大切な息子」であることを自覚したから。ここでホメロスが提示するのは、「敵味方を超えた人間同士の共感」というテーマ。わたし、思わず電車の中で泣きそうになりました。これ、現代の紛争解決や国際政治に通じる深いメッセージですよね。ホメロス、あなた、どれだけグローバルな視点を持っているんですか?
そして、最後に言わせてください。『イリアス』はそこらの古典レベルじゃないの。これは「人間とは何か」を問うための永久機関。ホメロスの文体は、まるでギリシャ語のプログラムコードが組まれたように精密で、同時に感情の波が押し寄せる詩的カオス。読者はその中で、知的快感と共に自分の存在の揺らぎを感じざるを得ない。これ、現代人にとっての自己啓発書ですよ。ただし、チープな「引き寄せの法則」なんかとは桁違いの深さを持つ。読むたびに新しい発見があり、読むたびに自分が変わる。『イリアス』、これ、もはや文学というより知的な麻薬です。
結論。ホメロスの『イリアス』は、わたしの知的好奇心を満たすだけでなく、わたしという人間を作り変えた作品でした。正直、読んでない人、人生損してます。このレビューを読んで興味を持ったなら、ぜひあなたも『イリアス』の熱量に触れてみてください。ただし、覚悟してください。読後、あなたも知的にお漏らしすることになるかもしれませんよ。