息子との散歩にて
散歩に行く。
遠い公園からの帰り道、ベビーカーに乗りたがらず自らベビーカーを押す息子。
狭い歩道で道を塞いでしまうこともある。
向かいからくる人がいたらわたしがベビーカーを押さえて止まったり、横からベビーカーをずらしたりしながら歩く。
優しく笑いかけてくれると救われる。
声までかけてくれる人がいる。
すれ違う若い工事員さん。
「かわいいね。前見ながら頑張ってよ〜」
初老のご婦人。
「ゆっくりさせてあげて。えらいね〜」
小さなお子さんのママ2人組。
「かわいい〜。頑張っているね」
泣きそうになるほど嬉しい。
翌日。
今日も元気にベビーカーを押す息子。
むしろベビーカー無しで散歩したいが、
荷物も多いし今日は買い物もある。
途中で抱っことなったらお手上げである。
息子の押すベビーカーの進路に気をつけながらも、すれ違うのはあたたかい方ばかりなので、
どこか油断していた。
父の日に義父に贈る本を選ぶため、
久々にショッピングモール内の本屋さんへ。
モール内でもベビーカーを押す息子。
立ち読みをしていた初老の婦人に当たりそうになる。
直前で制止し、会釈をしたら、
ものすごい形相で息子を睨んでいる。
こわっ
幼い息子へのあまりの形相に、
マスクのなかから声を出してしまった。
再度すみませんと言って会釈をしたが、
まったくわたしの顔をみることなく、
まだ睨んでいる。
随分長い時間に感じたが、無言で婦人は立ち去って行った。
反省がふたつある。
ひとつはわたしがもう少し配慮できたこと。
笑顔で返してもらうことが多かったので、
危険回避が甘かったと思う。
婦人には怖い思いをさせてしまったんだろう。
もうひとつは、
こわっ
と口に出してしまったこと。
幼い息子に対してあまりの形相で、
咄嗟にものすごく腹が立ってしまったのが事実である。
しかし。
今まで優しくしてもらっているのは当たり前ではないのである。
たまたま運がよく、
息子が産まれてからいつも周りに優しくしてもらってきた。
家族も友達も、お店の店員さんや、見知らぬ人、すれ違う人、
ほんとうに優しくしてもらってきたのだ。
でも、色々な価値観があるのだから、
ある人にとっては微笑ましくても、
ある人にとっては腹立たしいことだったり、
いつもなら良いことでも、気分によって
受け入れ難いことだってある。
怖かったけど、
自分の態度にも反省。
と、いうことで…
今までの状況と、
家族や友人たちや、たくさんの方に、
改めて感謝したのだった。
忘れないようにしよう。