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まだモノが欲しいですか?

先日久しぶりに映画を見ました。
そこで、感じたことを書いてみたいと思います。


ラストマイル


観たのは、大ヒット中のこちらでした。

物流業界最大イベント、ブラックフライデーの前夜、大手ショッピングサイトの配送段ボールが爆発する。日本を震撼させる連続爆破事件に発展する中、巨大物流倉庫のセンター長に就いた舟渡エレナは、チームマネージャーの梨本孔と事態を収束させようと試みる。

https://natalie.mu/eiga/film/195255

東京の郊外にある、巨大物流センターが舞台です。
(多摩モノレール“程久保”駅というところがリアル 笑)

高度に機械化、管理されたシステム。
単位が大きくなればなるほど、
相対として、人間の存在は小さくなります。

部品の一つに組み込まれた人間と、
それを操る側(と思っている)の人間。
感覚がマヒしていく様を、
物流センターという「スケール感」がよく表していました。

映画「ノマドランド」でも、「アマゾン」で日雇いで働く、
主人公の姿が象徴的でした。

人は、何のために仕事をする?
世界は、何のために効率化される?


何のために仕事をする?


人は、何のために仕事をするのでしょうね。

食べるため
自分の幸せのため

以前見たこちらも、テーマは同じだと感じました。

人は「考えることをやめる」ほうがです。
長いものにまかれるほうが、自分の利益になることは多いです。
そして、相手が大きければ大きいほど、飲み込まれるのはたやすい。


消費社会の裏側で


映画の背景にあるのは、
私たちが、何でも「便利に」「安く」買える裏側で、
どんなことが起こっているかということです。

ちょうど、こちらの本を読んでいました。

目次
1.「生き方」が最後の商品になった
2.ふたつの超大国の物欲の行方
3.モノとの新しい関係
4.共有を前提とした社会の到来
5.幸福はお金で買えるか?
6.資本主義の先にある幸福へ
あとがき 経済の問題が終わった後に


誰も幸せにならない社会


本「物欲なき世界」では、
映画「ラストマイル」の「巨大物流センター」に象徴される、
「消費社会=資本主義社会」の「今」について書かれています。

進行する低成長時代において、現在のグローバル資本主義が行っていることは、極端な格差の生産だ。
市場全体が成長しない中で収益性を追求するのであれば、富める者はより富み、持たざる者はより持てなくなる。

映画では、「富める者」もまた、
こぼれ落ちないためのプレッシャーで、幸せではないことを表しています。


「限界」を認識するとき


本では、「資本主義」の限界について触れています。

なぜ、日本を含む先進国の経済は成長しないのか。
そして、日本は毎年膨大な赤字国債を発行して景気対策を行いながらも、一向に景気が上向きにならないのか。
ここらで、私たちが生きている資本主義社会の構造自体の問題があるのではと考えるのが自然ではないだろうか。

経済社会の一部分にすぎないのに、あまりにも社会全体を支配しすぎているのではないか。

(経済学者の井出栄策氏は)「必要(need)」の生産「欲望(want)」の生産へ、という必要以上のものを生産せざるをえないシステムを問い直すことを指摘する。


資本主義社会の限界の先


もし我々全員が地位を上げるために二倍働けば、誰も地位が変わらなかったとしても、全員が他の目的を追求する時間を減らし、より多くの自然資本を消費することになるだろう。
富の蓄積による地位向上は、全員が一生懸命働いた結果、よりひどい状態に陥る。

消費をあおられ、たくさんのモノを買う。
モノを買うために一生懸命働く。
その結果、誰も幸せにならない。

映画は最後に問います。
What do you want?

いったい何が欲しいの?


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