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記憶おぼろげな拒食期~過食症体験記④~


前回(拒食期の話)の続きです。



高校時代に「痩せ」と「優等生」というカードを手に入れて
狭い世界での優越感はあったけれど、
漠然とした不安と食への執着は消えない。



自分の人格はどこかおかしくて、
本当の友達が出来たことはないと
ずっと劣等感を感じていました。


その後大学では人に恵まれ、
サークルやバイト、恋愛や就活が
自分を成長させる機会になってくれて
人生の中でも楽しい日々を過ごしました。


バイトで疲れて食べ過ぎてしまうことはよくあったけれど、
年頃の女の子によくあるレベルで
拒食とも過食とも無縁な時期でした。


しかし大学時代も人が苦手なのは変わらず、
少人数の時はまだ良いのですが
飲み会や大勢集まる場で苦い思いをすることが多く



(人の輪に入れない、
皆みたいに自信を持って話せない、
皆が楽しめていることを楽しめないなど)
※後から知ったらHSP気質だからだった


そんな時は幼少期のように
感覚を麻痺させるように「食」に逃げてしまい
そんな自分に罪悪感を感じていました。



そんな私の拒食症が本格化したのは、
社会人一年目の時。



当時慣れない仕事へのキツさと失恋が重なり、
当然ながらその苦しさは食に向かう・・・ところでした。


ですが、私は無理矢理それを阻止したのです。


そう、食べすぎるくらいなら
初めから何も食べなければいい。
「拒食」という形で。




ずっと自分の中にあった「食への執着」を
失くすために、一切の食を断つという
極端な決断に至った
のでした。


食を断ったら、より食への執着が
強くなるとも知らずに・・・!


当時本で読んだ、食べ物を一切食べないで
生きているという不食の人たちのお話も
その極端な決断の背中を押してしまいました。



食べるのをやめたら
食や他のことへの依存・執着がなくなり
悟りが得られるのだ、と。


「不食」はもともと精神が成熟した人がやるから成立するのだし、
第一そんな人は世界に数人しかいないのに
切羽詰まっていた私は間違った解釈をしてしまったのです。


本当に全く食べなかったわけではありませんが、
基本一日一食。それもかなり少ない量をとるだけで
一番ひどい時は体重は31kg、体脂肪率は5%まで落ちました。


拒食は半年間続き、
さすがに母や友人に諭され
自分が間違っていると感じた私は
半年後には食べる量を戻し始めました。


それでもまだまだ栄養不足だったのか、
ちょうど一年後に反動として「過食の波」が来てしまったのです。
それがまさか5年以上も続くことになるとは露知らず・・・。


ちなみに拒食をしていた半年間は記憶が朧げで、
せっかく友達とグアムに行ったのに景色も覚えていないし
歩くとフラフラしたり、ひたすら寒いのを耐えていた気がします。

次回からは、過食期について書いていきます。

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