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平大典「BOY BYE」
◆作品紹介
「僕」は長野の山奥のスケートボードパークで、ヨハネスブルグのスケーター「マイロ」と出会う。トリックに臨む瞬間の緊張、回るウィールの音、コンクリートの熱、はじめてつくったステッカーを渡す気恥ずかしさ。そうした細部に宿るカルチャーの瑞々しい輝きが、近未来の世界の中に息づいている。テクノロジーとカルチャー、グローバルとローカル、さまざまなことを考えたくなる作品だが、登場人物たちはそんな思考よりも早くボードを駆る。極限の集中の中でただ、世界と、重なり合う感覚。それはまさしく、リアルであると同時にヴァーチャルである瞬間だ。(編・青山新)
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10,380字
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