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伊藤なむあひ「偏在する鳥たちは遍在する」
◆作品紹介
十九歳を迎えた者たちは皆、そこに就職する。そう、ヤマザキホールディングスに。あらゆる二項対立を消し去るランチパック、どこまでも続く「ミミ」の道、デイリーヤマザキ天国店。柔らかい白昼夢のようなヴィジョンが発酵してむくむくと膨れあがり、わたしたちを優しく包み込む。確かにランチパックが裏返ったならば——二枚の食パンが背中合わせに重ねられたならば——それは世界をまるごと挟み込んでいると見立てられるのかもしれない。ポップなイメージの中で無限に加速し続ける資本主義的拡大再生産の車輪。その結末に広がる静かな風景をぜひ、噛み締めていただきたい。(編・青山新)
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14,324字
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