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デルマトーム(皮膚感覚)の活用で原因を特定でき、治療にも応用ができる◇

デルマトームについて

デルマトームとは、脊髄神経(脊髄から出る末梢神経)によって支配される皮膚の領域を指します。
各デルマトームは、特定の脊髄神経根(C=頸髄、T=胸髄、L=腰髄、S=仙髄)に対応しており、神経学的診察や診断において重要な役割を果たします。


 デルマトームの基本構造

人体の皮膚は、脊髄神経ごとに支配される領域(デルマトーム)に分かれています。
各脊髄神経は、左右それぞれ対応するデルマトームを持つため、神経障害や損傷が起こると、対応するデルマトーム領域に感覚異常(しびれ・痛み・感覚鈍麻)が生じます。

脊髄神経とデルマトーム


 デルマトームの評価活用

デルマトームは、神経学的診断や痛みの評価に不可欠です。
例えば、特定の領域に感覚異常がある場合、その対応する神経根が障害されている可能性があります。

  1. 〈椎間板ヘルニア〉

    • L5のデルマトームに痛みやしびれ → 腰椎(L4/L5)の椎間板ヘルニアを疑う。

    • S1のデルマトームに症状 → 腰椎(L5/S1)のヘルニアの可能性。

      • 損傷レベルに応じてデルマトーム領域に感覚消失が起こる。

      • 例えば、C6損傷 → 親指の感覚障害が出る。


 デルマトームとミオトームの違い

◎デルマトーム(皮膚感覚の支配領域)
◎ミオトーム(筋肉の支配領域)


 まとめ

  • デルマトームは各脊髄神経が支配する皮膚の領域を示す。

  • 椎間板ヘルニアや帯状疱疹、脊髄損傷の診断に重要。

  • デルマトームマップを用いることで、どの神経根が損傷しているか特定できる。

  • デルマトームは感覚、ミオトームは運動に関与する。

デルマトームは、脊髄神経ごとに支配される皮膚の感覚領域。
人間の皮膚は、脊髄から出る31対の脊髄神経(頸髄C1–C8、胸髄T1–T12、腰髄L1–L5、仙髄S1–S5)によって、各部位が神経支配されてる。

特定の神経根に対応する皮膚の感覚領域を示す。

左右対称に存在し、体幹部は帯状、四肢は縦方向に分布。

損傷や疾患があると、該当するデルマトーム領域に感覚障害が現れる。

デルマトームは、神経系の診断・治療において評価の目安になる。

•脊髄損傷の評価

損傷部位に応じて感覚消失する。

• 神経学的診断

デルマトームマップと患者の症状を照らし合わせ、障害部位を特定。

例:腰椎ヘルニア → L5やS1デルマトーム領域の痛みやしびれ。

運動機能評価(ミオトームとの活用)

デルマトーム(感覚)とミオトーム(運動)を併用することで、より正確な診断が可能。

例:C6デルマトームに感覚異常+C6ミオトーム(肘の屈曲)に筋力低下 → C6神経根障害の可能性。

このように神経学を応用したデルマトームやミオトームは原因を特定しやすく、治療の目安にもなります。

神経損傷については、上部の損傷ほど下肢に影響を与えるので上部頸椎は重要なポイントであるとDCカイロの世界では言われています。

痛みの部位から逆算できる

デルマトーム等の身体マップをみると全身の神経支配領域が分かります。

現在、痛みのある部位のデルマトームの図をみると脊髄のどこに異常があり、神経の問題があるのかも見立てることができます。

臨床の活用

デルマトームの神経分布図は患部への治療以外に遠隔の治療も可能になります。

症状によっては患部に触れると拒按の反応が出ることもあるのでその場合はデルマトームの離れた部位に刺激を与える治療ができます。

例、腰に触れるとイヤな感じがする
→繋がっているデルマトームの足の部位に刺激を与える等

整体、鍼灸、気功治療など様々な施術でも活用できるのでこれから臨床される方も是非活用してみてください。

また色んな施術を受ける患者さんもデルマトーム等を知っておくと、なぜ痛い所を避けて離れた部位に刺激を与えるのか。の理由もわかるので知識としても有効です。


デルマトーム図

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