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「呪術廻戦・釘崎野薔薇と禪院真希」に学ぶ「自尊心」の守り方

「私は、綺麗にオシャレしてる自分が大好きだ!!強くあろうとする私が大好きだ!!」

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✔女たちの戦いが圧巻!の第17話

 ひたすらに女たちの熱戦が繰り広げられた17話…さんざん色んなアニメで女性同士のバトルは描かれてきましたが、正直、これがアニメ史上最もカッコいい女性同士のバトルなのではないでしょうか。女性同士のバトルの最適解を見せつけられた感じです。

そして、真紀と真衣の確執(と言っても、一方的に真衣が真紀を嫌ってるだけ)も、この1話でサラッと終わった所がまたよかったです。(これがガンダムシリーズだったら、ずーーーっと尾を引いてたはず)

 原作を読んで改めて思ったのが、よく言われていますが、アニメのカメラワークの巧さです。特に、真希(CV:小松未可子)と三輪ちゃん(CV:赤﨑千夏)の戦いのところは本当に見せ方が上手くて、真希が太刀を奪うシーンなんかは、非常に巧く描かれていて驚きました。「この世界の片隅に」や「進撃の巨人」もそうですが、忠実にアニメ化しつつも、原作を分かりやすく見せてくれるMAPPAの手法にはいつも感動します。

 そしてやっぱり、原作を読んで予習をしてからアニメを見るのと、アニメだけを見るのとでは、理解の進み方も違います。呪術廻戦は難解な言葉…特に難しい漢字表記が固有名詞含めて多いため、やはり原作を読んで、筋を理解した上で見ると、その分見せ方に集中できるので、より余裕をもって楽しめると感じました。

✔女の生きづらさを語る桃

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 野薔薇(CV:瀬戸麻沙美)と桃(CV:釘宮理恵)バトルで興味深かったのは、バトルそのものよりも、舌戦の方でした。桃が語る「女は実力があっても、カワいくなければナメられる。カワいくても、実力がなければナメられる」という言葉は、社会に出た女性なら、首が痛くなるほど首肯したくなる言葉です。

 「女の呪術師が求められるのは”実力”じゃなく”完璧”」というのは、呪術師でなくとも、社会に出た女性ならほとんどがそうです。美しさ、女性らしい気配り、仕事における実力、かつ家庭がある女性なら、さらに家事をきちんとこなし、母親としてもしっかりしていなければならない…とあらゆる点で「デキる」ことを求められますから、今の女性って大変だよなぁとしみじみ思います。(だからって「ツイフェミ」さん達には同意しません…)

 さらに桃は、御三家の1つであるエリート呪術師の禪院家に生まれた真衣(CV:井上麻里奈)に、非常に同情しています。自分たちが当然の用に享受している環境ー褒められるとか賞賛とか、あるいは「普通の人」として扱われる事―を得るためには、真衣と真希がどれほど苦労しているかを野薔薇に対し、嫌悪感と共に語ります。ただでさえ生きづらい女性の呪術師が、禪院家に生まれたというだけで、ひどく理不尽な扱いをされている事が心底許せないのでしょう。

✔「劣等感」から生まれる歪んだ自尊心

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 野薔薇は、いかに真衣が悲惨な環境にいるかを語る桃に対して、「”完璧”も”理不尽”も答える必要がどこにある?!テメェの人生は仕事かよ」と一喝します。とても野薔薇らしい、真の強さと本質を突いた言葉です。

 社会に出ると「人(家族・他人の両方)」の期待に応えることと、理不尽さに耐える事を大なり小なり要求され、真面目であればあるほど、それに真剣に応えようとするものなです。

 そして「誰か」よりも上であることを望まれ、自分自身でも常に「誰か」と比較し、心の中で勝手に勝ち負けに一喜一憂する…小さなプライドを守るためにそうしてきた人は、私だけではないのではないでしょうか。

 そうやって、他人との比較で生まれた自尊心は偽物で、非常に「ちゃちいプライド」です。そして、そういう偽物のプライドは、本来の劣等感が強く弱い自分自身を守るために、他人に対して歪んだ優越感と自尊心を作り出します。分かりやすいのが禪院真衣です。

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 真衣は、双子でありながら、呪力を持たない姉・真希を蔑む言動が多いです。ですが、心の底ではむしろ真希に劣等感を抱いていた真衣は、真希を嫌い憎み、禪院家の落ちこぼれと蔑むことが「禪院真衣」としてのプライドを保つ唯一の方法だったと思います。

 このように、他人比較から生まれるプライドは、得てして意図的に他人を下に見ることで、自己の立ち位置を上に感じさせて得る、ぺらっぺらの偽物のプライドです。いわゆる「マウント」です。真衣が真希に対している時の態度もマウントですね。

 「マウント」取る人というのは、まず間違いなく激しい劣等感を持っています。自信のなさを埋めるために、他人を下げ、下げた分で自分の劣等感を埋めようとする行いなのですから。基本的に「マウント」取る人は、不愉快極まりないですが、可哀そうな人だと思っていればいいのです。

✔野薔薇と真希の自尊心こそ「本物の」自尊心

 本物の自尊心のお手本のような人が、野薔薇と真希です。野薔薇は「他人の期待にも理不尽も意に介さない」意思の強さを持ち、「男がどうとか女がどうとか知ったこっちゃねーんだよ!!……私は、綺麗にオシャレしてる自分が大好きだ!!強くあろうとする私が大好きだ!!私は、釘崎野薔薇なんだよ!!」と言い切る強さがあります。

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 真希も「禪院家にあらずんば呪術師に非ず。呪術師にあらずんば人に非ず」という家に「呪力を持たずに生まれて来た」といだけでも、劣等感にさいなまれて人格がゆがみそうですが、「呪術師にあらずんば人に非ず」に加えて男尊女卑も甚だしい禪院家に、自分が当主になると言い切る強さと、そこにブレずにに向かい続ける強さがあります。

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 この二人の共通点は、他人との比較でなく、比較の対象は常に昨日の自分や去年の自分といった過去の自分なのです。努力して昨日よりキレイになった自分、鍛錬して去年より強くなった自分…常に自分と戦い自分に勝ってきたことで、その分だけ自分を好きになれる。本当の自尊心とは、まさにこうして培われます。他人との比較では絶対に培われません。

 自分に自信を持ちたい、もっと自分を好きになりたい、と思っている人はたくさんいると思いますが、実はそれには意外なほど簡単な方法があるのです。ただ、自分との約束をひたすら守り続けること、それだけなのです。他人を意識して、誰かに勝とうとしなくても、勝たなくてもいいんです。今日から、小さなことでもいいんです。ぜひ、やってみてください。私もまさに今、こうして「毎日noteを更新する」という約束を守っている最中です…。

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