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詩集◉ニルヴァーナ

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言葉も使って、竿の先へ。竿の先からジャンプできるかどうかは、縁次第。
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#詩

◉詩/言葉遊び /「私」とは何か2

◉詩/言葉遊び /「私」とは何か2

言葉遊び /「私」とは何か2

何も起こっていない ※
時間は流れない

意識が向いて 後
認識が始まると同時に
時間が
過去にのみ向かって流れ始める
ようにみえ
事象が展開する、
ようにみえる
それが
出来事として捉えられている

刻一刻
出来事に臨む
と同時に
誰のものでもない思考が
どことも知れぬ場に
反応として しみ出してくる
思考もまた
出来事である

あなたが考えているのではない
そも

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◉詩/「私」とは何か

◉詩/「私」とは何か

「私」とは何か

これはポエムですよ

と予防線を張る
あなた、と呼びかけながら
自分に向けて伝えようとしている

今からあなたの自我を揺さぶる
危険を察知した人は読まないでください
誤って読んでしまえば
怖い思いをするかもしれない
(フォローを外されてしまうかもしれない)でも
仕方がない
ぼくはこれまでそれについてしか書いてこなかったし
これからも
そのことにしか興味が持てないだろうから

今あ

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◉詩/誤解

◉詩/誤解

誤解

考えるから
おかしくなる
何も考えなければ
何の問題もない
そんなこと
わかってるけど

思考は
コントロールできないから
否応なしに
考えてしまう
それでいいじゃない

見くびってんじゃねーよ
って自我が暴れてる
なんでオレのせいなんだよっ
て自我が暴れてる

「見くびってんじゃねーよ」が
すかさず記憶となり
「なんでオレのせいなんだよっ」が
すかさず記憶となり

次に来た思考が
それら

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◉詩/見え方の全て

◉詩/見え方の全て

見え方の全て

ソレは存在ではない
ソレは作用である
ソレをみることは決してできない

全身で
ソレになる以外にない、
在る とも言えない、
言葉では言い表せない、
ソレだけが アル、
何もない世界

そこには識別もないので
アル を アル だと識別しない
青一色の世界の青は
識別されない

悟った人はこれをみて
彼岸からこう言うだろう
悟りなどない と

神は解釈しない
ブラフマンは解釈しない

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◉詩/略歴2

◉詩/略歴2

略歴2

青 という言葉は
青くなかった

自分の名前に
ずっと違和感を抱えていた
自分の名前が何を指しているのか
わからないまま歳を重ねた

僕には数人の友達がいる
彼らが僕を友達と思っているかは知らない

佐藤くんに「佐藤さぁ」とか
鈴木くんに「鈴木さぁ」とか呼びかける時
僕には彼らの顔が思い浮かんでいる
その顔が
佐藤であったり
鈴木であったりするのだろうか

違うと思う
台風にも名前がつい

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◉詩/化身あるいは仮身 / 魔法2

◉詩/化身あるいは仮身 / 魔法2

化身あるいは仮身 / 魔法2

(いま僕は解像度の低いヤモリの写真をみている
ヤモリの像を仮に色(しき)と呼び
その像を構成するドットを仮に空(くう)と呼ぶ)

色は空へと限りなく細分化されていくが
空は色によって成就する
色と空は一つのコインの表裏であり
ワンネスの宇宙である

ヤモリに近づき過ぎると
焦点がぼやけて
ヤモリではなくなる
もっともっと近づくと突き抜けて
宇宙の果てに出る

40年

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◉詩/魔法

◉詩/魔法

魔法

私は詩人ではないし
なんなら
人間ではない
強いて言えば思考だが
思考に実体はないと知れ

見えている光、
色と形に実体はないと知れ
聞こえている音に実体はないと知れ
その匂いに実体はないと知れ
その味に実体はないと知れ
その感触に実体はないと知れ
その苦しみに実体はないと知れ

五感が捉えた情報を
脳がそのように解釈しただけだと知れ
そして言葉があなたを苦しめるが
言葉に実体はないと知れ

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◉詩/ニルヴァーナ2

◉詩/ニルヴァーナ2

ニルヴァーナ2

小学生の頃
カブトムシみたいな車が流行っていて
赤いの見たら死ぬんだよ
とか言いながらワイワイやってた

自ら命とのつながりを断つ人が
いなくならないのは
まさかカブトムシのせいではないけど
どこに潜んだノロイのせいか

猫はそんなふうに死なない
猿だって。
レミングやイルカがそんなふうに死ぬ
という嘘をついたのは人

死神に取り憑かれただとか
ハラキリとか
丈夫な人が熟慮の末と

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◉詩/国語の授業

◉詩/国語の授業

国語の授業

お祭りの準備だろうか
あるいは
戦争のしたくか

ブルーシートで覆われた歩道が途切れて
ふと顔を上げると
妙に世界が黄色っぽい
アレ、目が変だ…
不安になる一歩手前で
補色残像のフィルターだよ
と理解が追いつく
思考が助けになることもあるけど

そうか
うつむいて歩いてたんだ

義務教育を受けていた頃
国語の成績がすこぶる悪かった
問 : 太郎の気持ちを次の中から選びなさい
って聞か

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◉詩/バランス

◉詩/バランス

バランス

古着屋で800円で買ったジーンズ
膝から下を切り落として
暑過ぎる夏の ハーフパンツにした
左右の長さが微妙に違うけど
バランスなんか気にしてられない
左右の目の開き方も違えば
眉の高さだって違う
そういうもんだ

沿道の 氷の彫刻
完成の一瞬に届かぬままに
溶けていくから詩が流れ出す
丈夫な人で社会をまわして
壊れている人が詩を紡ぐ
そして、

丈夫な人が壊れそうな時に
その詩をさっ

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◉詩/ニルヴァーナ あるいは言葉の向こう側へ

◉詩/ニルヴァーナ あるいは言葉の向こう側へ

ニルヴァーナ
あるいは言葉の向こう側へ

意味について
言葉で伝えようとする その無意味さ、
という意味を生じさせてしまう
ジレンマを抱えながらも
それでも伝える、を選択するのは
そのジレンマが
次元への感受性の未熟さに過ぎないから。

物理的な痛みは
甘んじて受けるしかない
時折襲ってくる、強い恐れも
脳のメカニズムに変調をきたした結果としての表れ
その耐え難きを
道端にうずくまって堪(こら)え

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◉詩/原野2

◉詩/原野2

原野2

夢と知りながら
生き残る算段をしてみたが
奴隷労働で
生きているためだけに生きていくのは
もう無理だった

突然 重心が消えて
胎盤から零れた
左右のない世界を
どこまでも落ちていった
(それとも昇っている?)

自分で決めた方向を見失い
よるべきものが何もない
私の家はどこ?

壁に耳をあて
吐息をさぐるように
息をひそめた深海
その時
最古の聖典よりも古いものが
すっくと立ち上がった

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◉詩/息について

◉詩/息について

息について

息は
自らの心 と書く

全ての声は吐息に乗る

吐息は
汗や
うんこのように
少し前まで肉体の構成要素だった

呼吸、と一言で済ますけれども
吐く息と吸う息は
似て非なるもの

息とは
本当は吐息のみを表していて
吸う息は大気だ

その大気に
全ての息ものの吐息が紛れている

かくて肉体を回転扉として
陰は陽に、陽は陰に転じている

2024年6月

◉詩/コイン

◉詩/コイン

コイン

見えているこの感じ
聞こえているこの感じ
触れているこの感じ
この感じの全てが
私だけのクオリアであることから
世界は私の反映である、
それを、世界は私であるとも言い
世界には私しかいないとも言う
その時
私が私である必要性が消失する

髪の毛の一本一本から
心臓から
思い出から
何から何まで全て与えられた

私すら、
私というこの感じすら
借り物である
その時、

私を嫌いなあなたも同

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