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2024年10月の記事一覧

仮面の裏側

仮面の裏側

昨日の稽古、最後に行われた仮面の受け渡しの儀式が、あまりに尊くて、突き抜けていて鮮烈だった。何重にも生命が重なり合って、織り込まれて、やがて完結し、最後に丁寧にお辞儀をした時には、何かとても大事な意味のある宇宙的秘技が成就した瞬間だったような感覚が押し寄せてきてしばらく震えが止まらなかった。

前任者から仮面を受け取り、ゆっくりと回転させていくと、やがて仮面の裏側に向き合う。そこに宇宙に通じるポー

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「無」の解釈

「無」の解釈

昨日の般若心経に関するFacebookの投稿にいただいたコメントから、般若心経が釈迦の言ったことを否定しているという言説があるということを知り、そのあたりのことについて考え、自分なりに整理してみた。

まずは前提としての語彙を整理しておく。

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釈迦は「初転法輪」において「中道」「四諦」「八正道」について説法した。「初転法輪」とは釈迦の最初の説法。


「中道」
快楽と

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ヘルダーリンとアポロンとオブスクラ

ヘルダーリンとアポロンとオブスクラ

今朝のポストで最上さんがヘルダーリンという作家に言及されていました。

そのヘルダーリンという人のことはほとんど知らなかったのですが、とても気になったので調べていたら「松岡正剛の千夜千冊」の文章に行き当たりました。

2007年に亡くなった山口小夜子さんに向けて、ヘルダーリンを引用して書かれたもので、それを読むことでヘルダーリンと言う人がどう言う人だったのか伝わってきたものがありました。

この中

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外稽古、大きな桜の木

外稽古、大きな桜の木

昨日は大きな木が何本もある公園で外稽古だった。大きな桜の木と向き合うと、幹が二つに分かれていて、それぞれの幹から出る枝が、段々と折れ線グラフのようにジグザグに伸びている。枝が曲がっているところは過去に何かあったところで、曲がるたびに何らかの衝撃があったのだと伝わってきた。

枝を辿っていくと身体が疼き、枝と同じように身体が捩れそうになるのを感じながら、少しずつ木に近づく。幹のところまでくると、木肌

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「もののあはれ」を「かむかふ」

「もののあはれ」を「かむかふ」

この小林秀雄、岡潔の「人間の建設」の解説動画、とても良かったです。何度も反芻したい内容。本も読んでみたいと思いました。

「もの」とじっくり「かむかふ」ことで、ほんとうの個性は醸されて現れてくるのかも知れません。それを待つことができるかどうか、それを問われているように思いました。

「強いられたもの、我慢の末に滲んでくるものが個性だ」という言葉が響いてきます。

思えば、原初舞踏の稽古で、手を封印

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「三島由紀夫vs全共闘」から、あらためて身体性を考える

「三島由紀夫vs全共闘」から、あらためて身体性を考える

こちらの動画を見ました。3時間超と長いですが、とても実のある話が聞けました。そして最後には身体性こそが鍵であるというところに行き着いた感じです。

先日、Amazonプライムで三島由紀夫と全共闘の東大での対話の、映画を見ましたが、その中で感じた違和感が何だったのか、この動画の中の議論を通してはっきりとわかってきました。

「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」
https://watch.a

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