マガジンのカバー画像

メイン

42
小説・詩・エッセイ・川柳など。
運営しているクリエイター

2020年2月の記事一覧

あなたへの喜怒哀楽

あなたへの喜怒哀楽

喜ぶのは
かわいい奴と思われたいから

怒るのは
素直に淋しいと言えないから

哀しむのは
もっと気にかけてほしいから

楽しむのは
この愛が終わると悟ったから

『演技』

『演技』

あの頃、
私が引きずらないように
悪い男を演じてたんだね。

私も、
その演技に気づかない
女を演じてたよ。

『スノー・ホワイト』(掌編小説)

『スノー・ホワイト』(掌編小説)

窓の外は一面の雪景色。

線路の連結を車輪が越えてゆくリズムが
いつもなら僕を心地よい眠りに誘う。

今日はまったく眠くならなかった。
彼女に会える嬉しさが覚醒させている。

リュックの中をのぞきこむ。
読みかけの文庫本と携帯音楽プレイヤーがあった。
どちらを手にとろうか迷い、どちらも手にとらなかった。
目的地まであと一時間。
リュックを胸に抱えると、また窓の外に目をやる。
絶え間なく雪が降ってい

もっとみる
『そこにいる人』

『そこにいる人』

街を歩いている人は
街を歩ける人

街を歩けない人は
街にはいない

今日どんな人を見ましたか

今日どんな人を見ませんでしたか

『白い妖精』

『白い妖精』

くだらない人生を過ごしていた彼の元へ
ある日『白い妖精』があらわれました。

白い妖精は彼に告げました。
「願い事をかなえてあげます」
彼は伝えました。
「たくさんの友達をください」

彼にはたくさんの友達ができました。
その日から彼は毎日友達と遊びました。
それは楽しい日々でした。

しかし、彼はくりかえす日々に飽きてしまいました。

そんな彼の元へ『白い妖精』があらわれました。
「願い事をかな

もっとみる
『絆創膏』

『絆創膏』

私はあなたの絆創膏
傷をふさいで隠します
治す力はないけれど
少し痛みをやわらげます

私はあなたの絆創膏
普段はお役に立てません
あなたが弱り傷ついた
そのとき私の出番です

私はあなたの絆創膏
傷が癒えれば邪魔ですね
寂しいけれどお別れです
お役に立てて良かったです

私はあなたの絆創膏
もしも生まれ変われるのなら
絆創膏にはなりたくない
絆創膏にはなりたくない

偉人たちの将来の夢

偉人たちの将来の夢

ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章教授が子供のころ、
テレビアニメ『鉄腕アトム』が放映されていたとのこと。

友達が皆ヒーローでロボットの『アトム』に憧れている中、
梶田教授はアトムを創った『お茶の水博士』に憧れていたらしい。
それを覚えていたのはお母さんで、教授本人は覚えていないとのことだけれど。

レディ・ガガの言葉を思い出した。
「みんなは Google の社員になりたいと言っていたけれど、

もっとみる