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「冬から始まるよね」あなたはよく言っていた。何が始まるの?なんて無粋なことは聞かなかったけど、僕にとって冬は終わりのイメージだった。「春に期待して。夏に浮かれて。秋に悟って。始まるのは冬でしょ」今なら少しわかる。雪の中に咲いたようなあなたを思い出しながら、今年も始まりの冬が来る。
僕は右端 落ちそうなほど ぎりぎり右端 寝返りを打つときは 君にぶつからないように 君をつぶさないように 気をつけていた 今でも無意識に寝返りが止まる 空中に浮いたひざを 確かめるように、そっと静かにおろす 誰もいない広い左側に