やっぱり僕はうつ病だ(#7 異動後の減薬)(ひとまず最終回)
1 前回までのまとめ
復職後、異動希望を伝え、異動が叶った。
2 異動後の生活サイクル
異動先は、自宅から遠く通勤時間は長かったものの、残業はあまりなく、比較的緩やかな環境だった。定時に帰れば、19時には帰宅でき、快適な生活が送れた。
帰って夕飯を食べ、ごろごろしながらテレビを見る。休日は遅めに起きて1日ぼーっとしたり遊びに出掛けたりと、これが文化的な生活なのだと思った。
仕事なので多少のストレスはあるものの、それまでから負担はかなり軽減された。
3 減薬希望
異動が叶い、負担も減り、うつ病の症状は消えた。ストレスがなければ症状はなかったので、すぐにでも薬をやめたかった。
薬を飲んでいる=うつ病である、というレッテルを自分自身に貼っているようで、誰に見せているわけでもないのに、謎のプライドのようなものがあった。
医療費に関しては、自立支援制度を利用していたため、金銭的な負担は少なかった。
しかし、年に一度手帳の更新に行くたびに、自分がうつ病なんだと再確認しているようで、嫌だった。
(制度や運用が悪いということではなく、市役所の職員の方も親切で、とてもありがたかった。自分自身の感じ方の問題だった。)
一刻も早く薬をやめて、通院もやめたかったのだが、先生曰く、2年は再発しやすいため、薬を継続しましょう、とのことだった。
4 減薬後の変化
そこから2年が経ち、ついに減薬となった。2年間、特別、うつ病の症状はなく、順調に回復していた。
1日3錠から2錠、1錠、半錠と、1年ほどかけて減らしていった。
減らしていく過程で、少し体に違和感があった。
同じ薬を飲んでいた人の記事等を見ると、その薬には軽い依存性があるらしかった。(どこまで正しい情報かはわからないが。)
しかし、日常生活には支障はない程度のものだった。
それよりも、薬が減っている、うつ病から抜けられる、ということが嬉しかった。
5 思い込みと誤った判断
薬が半錠になってしばらくたったころ、僕はもう完全に治ったと思った。
そこで、勝手に薬をやめた。
もう自分はうつ病じゃないんだ、以前のように働けるんだ、と思っていた。というより、思いたかった。
通院はして、薬を処方してもらうものの、飲まない、という、誠に失礼な、医療費の無駄遣いをしていた。
6 コロナ禍の影響と再発
薬を勝手にやめてしばらく経ってから、世界情勢に大きな変化があった。
新型コロナウイルスの感染拡大である。
はじめは対岸の火事だったが、次第に国内にも蔓延、仕事にも大いに影響があった。
例年できていることができない、スケジュールがみこめない、自分に責任がないとはいえ、方々で頭を下げる機会があった。
そこへきて、たまたまその年に限って、今まで経験したことのないほど大きな仕事を担当していた。
バブル期はともかく、近年ないくらいの規模の仕事で、上司や先輩もここしばらく見ていないとのことだった。
ただでさえ人生最大の大仕事に、コロナ禍によるリスケの嵐、怒号が飛び交う現場で、僕の精神はズタボロになった。
そして、ある日、不眠と拒食が襲ってきた。
うつ病の再発である。
勝手な判断で薬をやめ、自分は治ったと思い込んだ結果がこれだった。
すぐに病院に駆け込み、結果として薬を多く処方してもらった。
7 やっぱり僕はうつ病だ
うつ病になって、人生観が変わったと思った。
人に何を思われようと、好きに生きていればいいと思うようになった、と思った。
しかし、結局のところ、自分がうつ病であることを、誰よりも自分が気にしていた。
自分勝手な誤った判断で薬をやめ、結果、うつ病が再発した。
(半錠を継続していたらどうなっていたかは、いまとなってはわからない。しかし、もう少し緩やかな症状だったのではないか、と思っている。根拠はない。)
自分自身を恥じ、戒める必要があること、同じような過ちをする人がいないように、公開できる形で文章にまとめておこう、と思い、noteを書くことにした。
8 読んでいただいた皆様へ
ここまで、自分の経緯を書いてきましたが、以下は読んでくれた方へ向けて書きたいと思います。
(1)自分はうつかな、と、思っている人
程度の差こそあれど、うつのような症状を感じたことがある人は多いと思います。そういう人は、①現状を把握する(カウンセリングや心療内科へ行ってみること)、②環境を改善する(上司や先輩に仕事がパンク状態であることを伝える、このままでは仕事が回らないことを伝える、など)の二点をする必要があります。
多少仕事ができなかいからといって、すぐにはクビにはならない、と、思います。越えるべきハードルは、自分のプライドだけだったりします。
パンクして死ぬよりは、プライドが折れる方がよっぽどいいと思います。
でもそれでクビになったら、ごめんなさい。僕にはなにも責任はとれませんが、死ぬよりはマシと思っていただければ幸いです。
(2)拒食や不眠の症状がある人
いますぐ病院に行きましょう。栄養がとれなくなって、回復も出来なくなると、人は死にます。拒食と不眠は死に直結します。
さらに、その症状が続くとぼーっとして判断が鈍くなります。
気づいたらすぐに病院に向かいましょう。
(3)病院に通って薬を飲んでいる人
先生の言いつけどおり薬を飲みましょう。医者は、国の認めた医療のプロです。我々一般人よりも何百倍も医療の知識を有しています。
納得がいかないことがあれば、先生に相談しましょう。それでも納得いかなければ、セカンドオピニオンを。
しかし、治療には時間を要するため、すぐに病院を変えるのはおすすめできません。
心療内科は不要な薬をバンバン処方して薬漬けにする、という噂をよく耳にします。
僕は1ヶ所の病院しか知らないので、全ての病院がそうかはわかりませんが、こういった噂は、患者の思い込みであることが多いように感じます。
待合室にいると、大きな声で「薬漬けにされている」と叫んだり、外で不満を言っている患者さんをよく見ます。
薬に速効性はなく、効果が分かりづらいため、こういった思い込みが起こりやすいのかな、と感じています。
いずれにせよ、プロが必要と判断したものを、ただの一般人が、なんの根拠もなく否定するのは、とても愚かな行為だということを経験しました。
以上三点が、うつ病を通して経験したことから学んだことです。
皆様のお役に少しでもたてれば幸いです。
とりあえず、ここで一連の投稿はおしまいです。
今後は、うつ関連の近況や思うことがあったら随時投稿しようと思います。
ここまで読んでいただいた皆様、ありがとうございました。