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なぜ学校は 変われないのか

 50代/女性/教員在職20年強
 4人の子の産休・育休・育児時短勤務経験あり

 ちかしい人との人間関係
 職場で感じるジェンダー
 理想の教育ってなんだろう
 考えることあまた…
☕️

これを読んでくださっている方の地域の学校は
黒板派?
ホワイトボード派?

ワタシが勤務する地方公立高校は創立数十年。
今年度、校舎の大規模改修工事が行われることになった。
近年、地方でも
中学生の人気が私立高校に流れていることに、
県も危機感を募らせたのだろうか。

目玉は、学校が希望すれば
黒板をホワイトボードに変えることも可能、という点。
公立としては、”ようやく!“ という感じだ。
管理職から各部署で話し合ってほしいと言われたが、
話し合った部署、話合いがほぼなかった部署、
ばらつきが出た。
そして、
管理職とその旧知の仲良し数人で
議論している声は耳に入ってきたが、
一般的な若手教員が思いを伝える機会はなかった。
ここにも不公平が生じた。

ある日、職員会議で、管理職から
「正面は黒板のままでいく」
と一方的に伝達された。

なんと、
今後の授業を大きく左右する前黒板の “白黒” を、
管理職と声の大きなベテラン職員で
決めてしまったのだ。
そして、職員会議で話し合うのは、
「両脇の掲示板をホワイトボードにするかどうか」
だという。

つまり、職員会議の論点は
「授業を黒板でするか、ホワイトボードでするか」
ではなく、
「掲示物を画鋲で貼るか、マグネットで貼るか」
である。


すばらしき民主主義!


想像してみてほしい。
日々の授業でパワポやインターネットは当たり前。
動画、英語の音声、生徒も1人1台タブレット使用、
ロイロノートにTeams ・・・
生徒にとっての書きやすさも、チョークよりペンだ。


これからの学校教育を背負っていくのは、
50代後半のおじさま方ではない。
「チョークでないと、書きにくくてダメだよな」
だれかのこんな言葉に同調して盛り上がっていたが、
彼らは、あと数年でチョークすら握らなくなる。
今後、授業でICT化を進めていく若手に
なぜ意見を聞かないのか?

実際、ホワイトボードは
年配教員へのメリットも大きい。
筆圧がいらないのでラクに書ける。
板書を投影に切り替えれば、
手書きの量がかなり減るので疲れにくい。
日々、チョークの粉を肺に吸い込まずにすむ。
授業にあれこれ持ち運ばず、手荷物がUSB1本で済む。

ちなみに、
ワタシが授業に行く際の “最重量” パターンは
こんな感じ :
  ・教科書、副教材、CHART総合英語(ぶ厚い)
  ・配布用ハンドアウト約40人分
  ・タブレット
  ・卓上スピーカー(タブレット用)
  ・私物のスマホ
  ・リモコン、HDMIコード(私物)、
   タッチペンなどの入ったお道具袋  
     ←ここまでをトートバックに詰め込み右肩に。
  ・プロジェクター ←左肩に。 
  ・CDデッキ(リスニング教材用)  ←右手。

この格好で階段を上がり、4Fの果てまで歩いていく。
令和だというのに!
そして、
移動とセッティングのために、10分放課はほぼ消える。



変わろうとしない年配者は、
どの職場でも問題になりやすい。
大切なのは、
職場の進化を妨げないこと。
次の世代の足かせにならないこと。
そのために、ベテランも変化することを恐れないこと。
新しいことを拒まず、一度は受け入れてみる。
あるいは
おもしろがって能動的に手を出してみてほしい。
今までとは違った気づきが得られるはずだ。


いずれはみな、年配者になる。
願わくば、
職場の進化を妨げることなく
自ら変化しつづけられるメンター的存在でありたいよね。
自戒も込めて。


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綾瀬 ゆき
支えたり、支えられたり。そんな “環境” が心地いいですね。