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紡いだことばたち。
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#朗読

詩 27「無題」 本文

喉の渇きに目が覚める
闇に包まれて
横たわる身体  

夜が雨音を強くする
あるいはそれは
内側の
寂しさに呼びかけてくる  

ふいに、耳に微かな泣き声
抱き上げた腕の中で
乳を探す幼児は
全身で
希望を象っている
睫毛のひとつひとつに
命を宿らせて  

死んでいく星と
誕生する星の
命の巡りを
眼裏に描く  

いくら言葉をさがしても
端から零れ落ちていく  

振り返っても届かない昨日は

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詩 19、または、ある芸術家に捧げる詩

筆をにぎる
長く、細い指

あたまのなかの
精と卵が
ひとつになって

命が、生まれる

あたたかな水をたっぷり含んで
ひろがる
色、色、色

ふくらむ かさなる ほころぶ つながる

まじわる ぶれる ゆらぐ たゆたう のびる

もつれる みちる かわく ねがう とびちる

ふいに両の手からこぼれだす 青
深く、深い その青

それをすくいとって
指先はまた動きだす

強く、しなやかに

その軌

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詩 18

いってしまった夜は
もう二度と
帰らない
目を凝らしても
薄闇に見えるは
ただその背中

それもすでに遠く
曖昧な輪郭だけが
微かに揺れている

新しい夜は何食わぬ顔で
私を迎えにやってくる

青白い静寂の中
背中を丸め
心細さを、抱いて眠る
#詩 #現代詩 #朗読

詩 17

細く白い身体で 踊る

伸ばした指

空を切り裂く

しなやかな体躯の奥に
眠る気高き魂

遠く
鳴り響く
音に
溶ける

何度も 何度でも
生み出すことを 彼女は恐れない

その血の一滴
細胞の一片

スポットライトに照らされて
露わになる

剥き出しの それが 美しさ
#詩 #朗読

詩 7

※日本語訳は下にあります。

Unerwartet verliebe ich mich.
Eine Krankheit, die man nicht vorbeugen kann, so sehr man auch aufpasst.
Es gibt keinen Grund, auch keine Erklärung dafür.

Ich kann noch so versuchen

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